top of page
niioka

エッセイその11 素人の演奏で人は感動できるか



先日,妻がかぜを引き熱を出して,寝込んでしまったのです。

「(≧ロ≦) アイヤー


ピンチです。何よりもここ何年も料理をしていません。 その昔は炎の料理人,周富徳を師と仰ぎチャーハンを良く作った時期がありました。


独身時代はアパートに業務用バーナーを入れ,中華おたまの大型サイズを買って(チャーハンが1人前丸く作れるサイズの),ささら(竹で出来た筆みたいな鍋洗いたわしのこと)など揃えて,ウェイパーやアバロンソースも試したりと様々やっていたわけです。

鍋に火を入れたら天井近くまで火が上がってしまい,換気扇カバーを焦がしたのも懐かしいですねぇ。


それも昔。




※合成写真ではありませんよ。

その昔,焼きそばを一緒に作る企画があったものですから。

焼きそばの極意は,麺を先に炒めて取り出すことでした。



とにかく昼になりました。何か作る必要があります。

( ̄ヘ ̄;)ウーン



うどんくらいなら作れそうです。



こんな何も設計図なしでいきなり買い物に行く辺りがトーシローの真骨頂ですね。

(o^<^)o クスッ



とにかくスーパーに行ってみます。

野菜を見ていると,なんとなくきのこが入ったうどんは美味しそうな気がしてきます。

きのこに鶏肉なんかどうでしょう。

(ノ^_^) ハイ!



いい感じですね。きのこはきのこは・・・。シメジを買って,ついでにマイタケも買ってみましょう。

シャッキッと水菜を散らすのもいいかもしれませんね。


思いつくままに適当に買ってしまうのです。


初めて楽器店でギターを買う人もこんなものかもしれませんね。



とにかく,自分の中に明快な設計図がないわけですので何でもフィーリング,思いつくままです。

今の私は何もわからずに楽器店に行ってギターを買う人に近いでしょうね。



店員が言う事がすべて専門家のお告げに聞こえて来るんですよね。 (実際は大手の楽器店の店員さんはアコギに詳しい人の方が少ないかもね。)


鶏肉鶏肉・・・と思っていると,娘5才が言います。

「ママはお肉あまり好きじゃないよ。」

( ̄ヘ ̄;)ウーン


そこへ見えたのはさつま揚げ。鶏肉入りとあるではないですか。

(≧∇≦)ノ ゲッチュー


すぐに方向が変わるのはトーシローの悲しさ。 (ド素人よりもさらに初心者的な感じがしますよね。トーシロー)



青いギター見て,「この色いい」とか。

ミニギター見て「このサイズかわいい」とか。

合板も単板も何も関係ないですね。 あるのは色と形のみ。トーシローオソロシヤ。


こんな演奏をしたいからこういうギターを買いたいと言うのが本来のギター選びですよね。

ギブソン買って押尾コータロー弾いて「ギブソンはピッチが狂いやすいですよね。」なんて相談された日にはなんて答えましょう。

ププッ ( ̄m ̄*)



おっと,さらにその隣にハンペン発見! 半額シールも貼ってありますし,またもや・・・。

(≧∇≦)ノ ゲッチュー


次第に鶏肉うどんからかけ離れていきます。 そして,3玉入りゆでうどんを買います。


しかしながら,さつま揚げと,はんぺんが入って,きのこと水菜が入るうどんっていったい・・・。

♪~( ̄ε ̄;)



戻ったらさっそく作り始めます。

基本的に最近は何も作っていませんので,台所の勝手がわかりません。


調味料の場所探しから始まり,昔使っていた鍋はすでになく,見慣れない新しい鍋が鎮座しているのです。


なんか,知らない人に囲まれたギター教室に初めて一人で参加した気分はこんな感じかもしれませんね。 きっとそうでしょう。


とにかく,カンが働かないのです。


これは言うなれば,楽譜の見方が全くわからないという自己暗示をかけて,楽譜を見る人とほぼ同じでしょう。


でも,お湯を沸かします。鍋の半分くらいかな。

刻んだキノコとタマネギを入れて,意味もなく塩,コショーしてしまうのがこれまたトーシローなんですね。

O(≧∇≦)O イエイ!!


はんぺんもさつま揚げも入れてしまいましょう。

うわっ,はんぺんは増えるんですね。サイズが急に大きくなりました。


なんだかすでに,鍋がいっぱいになりうどんが入らない感じです。



ピックアップ買ったらプリアンプを買うお金がないみたいな感じですね。 どうするアイフルの宣伝みたいです。

o(T□T)o


最後は,味付けしなければなりません。


塩入れて,さとうも入れて,酒,みりん,何でも少しづつ入れれば何とかなりそうな気がしているのはまさにトーシローですね。


悲しいかな,それぞれどんな効果があるか全く分からないんですね。


ギターの調整でどこをいじればどういう効果があるか良く知らないのにとにかく何でも削ってしまったというタイプですね。

サドルも溝も何でも削ってみましたが,音がピヨーンとヘンな感じになってから何とかしてくださいというタイプでしょう。



味付けも最終仕上げです。 にんべんのつゆの素を入れて何とかうどんらしくなりました。

そうだ,風邪にはショウガだと思い出して,チューブのサシミに使うようなオロシしょうがを入れるのです。


まずい,入りすぎた。匂いがきついな。

(^∧^) スマンノウ



わかっているようでわかっていないところが,Martinとか高いギター持っているのにチューナーが1000円位のおまけチューナーだったりするタイプですね。


♪ 完成~。


でも,自分なりにがんばったんです。


たぶん,出来ているご飯を買ってくればもっと美味しいと思うんです。


でも,こんな時くらい子どもと妻のために自分なりに何とか作ってあげたかったんです。

(´・ω・`)  ○(・x・)○


でも,食べてみるとちょっとヘンなんです。 塩コショーとそばつゆはなんとも不思議な感じです。

見た目もちょっと不思議なんです。 はんぺんがお餅に見えるし,一瞬雑煮かなと思ってしまうんです。

水菜は煮えてしまってクタッとなっています。


(o^・^o)  いただきまーす。


娘5才が言います。

「パパってお料理できるんだね。パパのうどんとってもおいしいよ。」


ママも言います。 「おいしいわ。ショウガ入れてくれたんだね。ありがと。」


( ^^)人(^^ ) たっち♪



見た目も変だし,美味しくないのは自分が一番わかっているんです。

でも,美味しいよと言ってくれる人がいると,すごくうれしいんですね。


なんだか,一生懸命に練習したけど上手に弾けなかった演奏みたいです。

私は自分の演奏がまだまだと思うので,本当の一流の演奏をいつも聞いていたいと思うんです。


だから,プロの演奏でも何でも聞くわけではなくて,プロの演奏でも評価して本物の演奏だけを聞くようにしているんです。


それで,CDも全部は聞かずにその中のいいと思ったものだけを聞くようにしていたりするんです。


本物にいつもこだわっていたいと思っているんです・・・。



でも,ピアニストにしてギタリストのジョージ・ウィンストンがかつてこう言っていました。

「本当にいい音楽はCDにもならず,曲名もなくて,母親が我が子のためだけに歌ってあげて,子どもを寝かせるような音楽だと思います。」



これも真実だと思います。



ある生徒さんが友人の結婚式でギターを弾いてあげたいといって猛練習をして「世界に一つだけの花」を弾いてあげた事がありました。

演奏はもちろんトーシロー的です。

ギターの音ももちろん合板です。

ピックアップはありません。その場でマイクのみです。


でも,その暖かい思いは友人に届いて,結婚式を思い出すたびに友人はその演奏を思い出すでしょうね。



プロの演奏がすばらしいのは言うまでもありません。 でも,素人の演奏が人を感動させないというわけではないと思います。

あなたの気持ちが伝わる相手であれば,きっと「良かったよ」って言ってもらえるでしょうね。



誰かに音楽をプレゼントするというのはすばらしい経験だと思いますよ。

いくらかでもギターが弾ければそれは可能になることです。


そういうお手伝いができるギター講師はいい仕事ですね。



引越しでレッスンを中断する生徒さんが最後にひとこと言ってくれました。

「ギター教室に来ていろんな世界が広がって本当に良かったです。先生今まで本当にありがとうございました。」


その瞬間うれしいですね。

(ノ^_^) ハイ!


プロの演奏でなくても,あなたの気持ちが伝わる相手なら,今のあなたの演奏でもきっと何か感動を伝えられるはずですよ。

「どう?パパのうどん美味しかった?」

「美味しかった。」 「美味しかったわよ。」

「少し残っているけど,夜も食べる?」

「あー,えー,後で考えるわ。」

o(T□T)o



トーシローの演奏は短く1回だけにしましょう。 長いのはだめですよ。



おまけ  

「耳をすませば」というアニメの中で地球屋のおじいさんが,雫の未完成の小説を読んで,雫に言うセリフがあります。

あれがとっても暖かいんですよね。

あれは講師が目指すところですね。

(o^・^o) ウン




ちなみに私のレッスンでは子どもでもわかるように最初の曲はカントリーロードだったりします。 歌詞もこの日本語のバージョンです。


本当のカントリーロードはこれです。



でもオリビアのバージョンもいいんです。



この映画のおかげでみんながカントリーロードを知っていて,歌えるのでギターがはじめやすいんですね。ジブリに感謝。

最新記事

すべて表示

Comments


bottom of page