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2本目のギター選びその2 テンションで選ぶ 


中級者の皆さんへ:2本目のギター選びコース


2本目のギター選び その2 テンションで選ぶ



ギターを買う時に最初に気にするのは当然ギターの音色ですよね。

(ノ^_^) ハイ!



これはだれもが譲れないでしょうね。でも,あえて2本目はテンションで選ぶというのはどうでしょう。



おそらく聞いたこともないであろう,ギター選びのアドバイスかもしれません。


ギターの音を良くするために,弦のテンションを上げるという工夫があります。

ピアノの音色を考えてみると分かりますが,弦の張りが強いとピーンと張り詰めた緊張(テンション)からキラキラといい音が出るような気がしますよね。


ギターもいろいろと触ってみると,同じコードを押さえているのに必要な力が全く違うという経験をしたことはないでしょうか。

触っていないかのように押さえても音が出るギターもあれば,一生懸命押さえないと音が出ないものもあります。


音質を追求したギターは大抵テンションが高くなります。でも,テンションが高いと当然弾きにくくなります。

エレキギターが弾きやすいのは,ネックの細さとテンションの緩さが関係しています。


何がテンションの違いを生じさせるのでしょうか。

いくつかの要素があります。大きなものはこれです。



1 弦高です。



弦高が高ければ当然,指板までの距離があります。その分を押さえるので多くの力が必要です。


弦高が高いか低いかはどうやって見るかというと。 フィンガー用に参考になる目安は6弦12フレットを見て,2.0ミリ~2.3ミリならOKとしましょう。

それ以上に高い場合はハイフレットのチューニングも合わなくなってくる可能性があります。

あとは,1フレットの弦高です。 カポ1の時の弦高とカポなし弦高の差があまりに大きいと思えるのは調整が足りないと思われます。


具体的には各弦の3Fを押さえて1Fを指で叩いてみます。

ここがくっつくなら必ずバズります。

ここはぎりぎりくっつかないのがいいのです。

ここにあまりに余裕があれば1FをセーはするFコードなどは非常に大変です。

ここが高いと,やはりテンションが高く感じると思います。信頼できるショップで弦高調整をしてもらう必要がありますね。


アンフィニ カスタムワークス というショップが東京都下にあります。


弦高調整など初期調整も受け付けてますよ。 私から聞いたと言えばサービスがあると思います。是非どうぞ。



では,弦高を同じに調整したとしましょう。 弦高が同じであればギターそのものの違いがはっきりします。


テンションに影響を与える次の要素は・・・。



2 弦角度です。



ナットからヘッドへ向かう弦の角度が鋭角になるとテンションは上がります。

サドルからブリッジピンに向かう弦の角度が鋭角になるとテンションは上がります。

これはストラトとレスポールというエレキギターの造りで良く分かります。

ストラトは弦をボディの裏から通しますので,サドルには直角に弦が乗ります。 レスポールはボディトップ側にテールピースからオベーションみたいに弦通しタイプですので,サドルの弦角度はゆるくなります。

ストラトはテンションが上がり,コードストロークやカッティングで使えます。 レスポールはローテンションでハードロック系の速弾きもOKです。


それで,サドルの弦角度を変える要素もまた幾つかあります。

1 サドルの高さを下げると弦角度は緩くなりテンションは下がります。 2 もうひとつは,ブリッジピンの位置です。  サドルからピン位置が後ろに離れれば弦角度は緩くなります。 3 弦の巻き数を増やしたり,ペグの弦の位置を下げる方法があります。GOTOのペグにはポストの高さを調整できるものまであります。


参考になるページです。


これは実際に写真で見ましょう。

ボジョアのサドルですが,6弦のサドルとブリッジピンが近くてサドルに乗る弦角度が鋭角なのが分かりますか。






マーチンのD1カスタムです。 明らかにサドルとピンの距離が開いていますよね。

これは緩い角度になります。 それをいくらか緩和するために弦通しガイドのスリットが入ります。 このギターは明らかにテンションが緩く感じます。


Gibsonでも,J-45とサザンジャンボはテンションの違い,音色の違いを感じます。私の好みは明らかにJ-45です。



この2本のブリッジを良く見てください。



































J45です。



































サザンジャンボです。 ブリッジピンの位置とサドルとの距離を確認してみてください。


J45はテンションが緩く感じて気楽に弾けるのです。 音色も緩い音がして,ストロークのジャキジャキとした音もこのテンションと関係があると思います。


サザンジャンボの方がきりりと輪郭があり,テンションのある音で,ソロギターも不可能ではありません。

(⌒^⌒)b なるほど


マーチンでも,1シリーズ,16シリーズまではこのローテンションタイプのサドルになります。


18シリーズ,28シリーズなど以上はハイテンションなタイプになります。


音色は当然,ハイテンションな張りつめた感じの音ではなく,柔らかく甘い系の音になりますが,注目すべきはこのローテンションから来る弾きやすさです。




3 弦長です。


弦長が長いギターはテンションが上がります。

具体例は弦長が660ミリのギターと650ミリのギターの6弦を同じDにチューニングすると弦長が長い方が張りが強くなります。

ミニギターで弦長が584ミリだったとしましょう。 ギターのチューニングが同じであれば普通の650ミリくらいのギターよりも明らかにテンションは軽いです。


でも,弦長の1~2センチくらいの差と,サドルの弦角度やヘッド側の弦角度の違いのどちらが大きい違いかは難しいです。

弦長が630ミリでも,スタMの650ミリよりもテンションが高いモノが沢山ありますので,弦長よりも上記1,2の要素が重要な気がします。 クラシックギターも弦長は650ミリですからね。




4 弦の太さです。

これは当然ですね。弦が太ければテンションが強くなります。 太すぎる弦を張るとネックが負けて反って来たり,トップが膨らんだりすることもあります。


昔長渕が「♪僕のギターにはいつもヘビーゲイジー」と歌っていたので,私も学生時代に試してみましたが大変です。低音はバクバク出ますが,高音は出なくなります。

o(T□T)o


ローテンション系のギターにミディアムを張るというのはいい感じになることがあります。これでちょうどハイテンションタイプにライトを張った感覚になったりします。


同じライトゲージでも良く見ると,太さは違います。また,メーカーによっても太さにはばらつきがあります。表示がすべてではないと思います。 012-054のMartin弦は太く感じるかもしれません。 012-053のエリクサーもわりと太さを感じます。


それだけではなく,弦の種類でも硬さを感じるモノがあります。 フォスファーは当然ハリのある音になりますが,テンションもいくらか上がる傾向があると思います。


ブロンズ系の弦の方がテンションはやわらかい感じです。 コンパウンドとかエクストラライトなどがやわらかいのは言うまでもないでしょうね。



テンションを軽くしたい人は,微調整と思って,012,015・・・052くらいの弦を探して張ってみてはどうでしょうか。

弦によって100分の1インチ細いくらいですが,やはり,違いはあります。

さらに,ダダリオのEJ16は何に張ってもいい音が出るので,ここ一番で使う弦ですが,6弦,3弦がマーチンよりも細めです。


1,2弦の硬さもしなやかな気がしてテンション感を低く感じます。いい弦です。一度お試しください。




さて,ここからが提案です。

私は演奏をいいものにしたいので,ギターにどうしても弾きやすさを求める傾向があります。

マーチン社の下位のXシリーズとか,リトルマーチン,DMとか,1,15,16まではこのローテンション系です。


つまり,OOO-1などビギナーが使う楽器は弾きやすさがより重要ということです。



18シリーズ以上になると音色を追求し,張りと艶のある音がします。

つまり,D28は音はいいけど,ビギナー向けではないともいえます。


ところが,ラリビーなどはローコストタイプのOM-03など実売12万くらいのマホガニーのギターでも,ハイテンションなサドルを採用し,実際に音色は張り詰めたテンション感のある音がします。

これがラリビーの魅力でもあります。キラキラと高音がきれいに出ます。

でも,弾きやすいかと言われると,テンション感はあるのでアマチュアが弾きこなすには練習が必要になるでしょうね。

この辺が正直アドバイスする時に難しいところです。


いい音のギターの方がきっと練習を多くするでしょうね。 でも,弾きやすくないと弾けるようになるのに時間がかかります。

(ー'`ー;) ウーン


タマゴが先かニワトリが先か・・・・・

(・_☆) キラーン


やはりニワトリだと思います。


ギターの技術的な上達が,音色を楽しむよりも先に重要だと思います。

なぜなら,遠からず多くの人がローコストのギターの音色では満足できなくなります。 また,弾けなければ音色の違いも分かりません。

そう考えると,二本目のギターはまだ本命ではなく,弾きやすいギターを買うのがいいのではないでしょうか。


それで,マーチン社のデザインの仕方は正しいという気がします。 ローコストタイプのギターは音色よりも弾きやすさを重視して設計されていると思います。これがいいでしょうね。




それで,私からの2本目のギター選びのアドバイスですが,ローテンションの弾きやすいギターを買って腕を上げるというのがオススメです。


その次に本当にいい音のギターを買ってもいいのではないでしょうか。 というよりも,その方が早く上達して,いい音のギターを十分に鳴らしきれるようになる気がしています。




えっ具体名を挙げて欲しい!?

(ノ^_^) ハイ!   もちろんOKです。


これまで紹介してきた,スタジオMのオリジナルギターはローテンションです。 MD-47も,NIIOKAモデルもです。

スタンダードチューニングの時にこれは威力を発揮します。 ANJIで小指チョーキングもできます。


さらに,前述のマーチンのローテンションシリーズですが,弾きやすさと同時に音質も求めるので,やはり,オール単板になります。すると,マーチンはD-16かOOO-16など16シリーズになります。


16シリーズはネック幅も弾きやすいですね。


しかーし,16シリーズはマホなんですが,16RGTなどローズモデルもあるようですし,シグネイチャーなどのモデルに16ベースが結構あるんです。

その中にはアディロントップのものもあるようです。CEOシリーズとかに。 この辺は,ローテンションギターの中でも最高の音が出るような気がします。



そして,あとはフォルヒです。 これはスタMにて弦高調整が初めからされているのもポイントです。

フォルヒも弦高を上げるとテンション感が強くなります。 弦高をギリギリにするとかなりいい感じですよ。


音色と弾きやすさのバランスが取れたギターです。



2005/5/30 追記 フォルヒのテンションが少し変わりました。 新しいタイプ(おそらく2005年に入ってからのもの)はテンション感が昔よりも上がっています。

それで音色も切れが増している気がします。 シダーでも,高音の切れ味があるような気がします。 その違いは旧タイプと一緒に弾いてみると分かります。


旧タイプのサドルです。



新タイプのサドルです。 サドルが高くなった分テンション感があると思います。 ややサドルが後傾していますし。

テンション緩めを期待して購入したら意外に普通だったという人もないわけではないと思いますが,私の感想では,調整されていない一般のギターよりもテンションは低いと思います。 でも以前よりテンションは上がりました。




(ギブソンのJ45などはテンション感は緩いのですが,ハイフレットのピッチが合うかどうかなど考えるとソロギター向けではないと思います。歌の伴奏で真価を発揮しますよね。)


これらローテンションギターで練習して,いろんな技術を身につけて本当に上達してからさらに上のギターを目指しても良いと思いますよ。


アマチュアが本当にいい演奏をするには,プロと同じ道具を使っては出来ないと思います。相手は演奏のプロですから。

アマチュアがいい演奏をするには,プロよりも弾きやすい道具を持つことが最重要ですね。

ここを間違って,プロと同じ道具に憧れて中途半端に追いかけてしまうと,感動的な演奏というよりも独りよがりな演奏になりやすいですよね。


先日アマチュアのアコギイベントがショッピングセンターの中でありましたが,やはり,出演者が楽しんでいるという感じでした。

(⌒Θ⌒)ぷぷぷっ♪


でも,それもまたいいんですよね。趣味だから。



変な結論でした。

(^∧^) スミマセンです。


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