ギターから正体不明のノイズが出る時,この原因を知っておくと正しく判断できることがありますね。
フレットすり合わせの話です。
typeBのスカボロもちょっと聞けますよ。
昔から,耳が少し良かったこともあり,ギターから出るノイズが気になることがありました。
アルグム1の録音の際も不思議な共振の音を止められずに苦労し,その後ショップに2回送って工房で何とか対処してもらいましたが,結局解決しませんでした。
ショップ専属のリペアマンの対処方法は,ナットの溝から出るノイズに対して,ナット溝に牛コツの粉をボンドで固めて音を詰まらせて直すという今考えるとわけがわからない方法で結局解決できなかったのでした。
今思えばただのシタール現象ですね。ナット溝の角度が少し甘かったので,ペグの巻き回数を増やせばそれだけでよかったのかもしれません。
(T_T) ウルウル
さらに,神田の有名店K楽器で新品で買ったテイラーのESも悲しい結末でした。
弾いたあとお釣りのように来る「ぴよーん」というノイズが解決できずにショップに相談すると,彼らの判断と対処方法はこれまた驚くべきものでした。
ネックの中のロッドが泣いている可能性があるので,フレットを抜いて穴を小さく開けてそこから何かボンドのようなものを注入するというのです。
費用も掛かるというのです。
でも結局はそんなことでは解決しませんでした。なので,ギターそのものを戻しました。
しかーし,今ならわかるのです。
今思えばあれも簡単な原因でした。ナット溝が低すぎるノイズなのです。
(ノ_<。)うっうっうっ
簡単な原因なのにリペアマンの判断の間違いで様々な処置を施されたギターが結構存在するように思います。
ぜひ皆様もこのノイズの原因の判断の方法を覚えてみてください。
私のtypeBですが,最近カポ5の時に1弦2フレットを押さえて弾くとノイズが出るのです。
それは弾いた後に何かが共振しているような音です。
ジーンとくるのです。
イヤホンで聞くと聞こえると思います。
特に最後の方にはっきりと聞こえると思います。
何かが共振しているかと思ったので,弦を外してボディの中の配線をチェックしたりしました。
違うので,フレットの減りでしょうか。
違います。
症状としては,カポ5の時に2Fではっきり聞こえる。
ならばカポなしの7Fでは聞こえるか?というと聞こえないのです。
この情報だけで経験がある人は判断できると思います。
この原因はナット側の方の共振なのです。
つまり,Oフレットからカポの5フレットまでの間にナット溝が減ってしまって,1Fにくっ付きそうな場所があり,それが共振しているのです。
(ノ°ο°)ノ オオオオ
フレットのバズりなら,カポなしでも出るはずです。
カポの時だけ出るなら1フレットのノイズですね。
このように3Fを押さえて1Fの高さをチェックします。
4弦の1Fがほぼくっつきそうです。
もう少し0.2ミリくらい溝が高いと,ノイズは解決ですね。
もしくは,溝がもっと下がってくっ付けばノイズが出ないような気もしますが,低すぎると解放弦がバズりますね。
確認する方法は簡単で,弦を弾く際に1Fに何かを挟んでいけばチェックできますね。
これでノイズが消えれば確かめられます。
ナットの4弦の溝が減っています。
原因はわかるんです。
ここ数か月シャドウィキィを毎日のように弾いていたからです。
4弦を半音あげて,E♭にするのですが,また戻してDにしたり,またあげて練習したりとこれを繰り返したのが原因ですね。
「(≧ロ≦) アイヤー
この症状の場合はどうするかです。
2つの方法で解決できると思います。
1 ナットを交換する。
2 フレットを摺合せして,フレットの山が下がると相対的にナット溝との距離ができるので解決する。
面白いのは,もしも新人のショップ店員が判断をあやまって・・・
「これの原因はフレットですね。少し減っていますので,すり合わせてしまいましょう」
と原因を間違っていても,結局解決してしまうということですね。
ププッ ( ̄m ̄*)
すでにtypeBを1年4か月も弾いているのでフレットも一部すり減っています。
やはりテープは3Mがいいですね。
しかもリードをよく弾くのでフレットの1~3弦がすり減って低くなっていて,その上で1弦,2弦に溝が出来ているのです。
フレットの山の高さが6弦側と1,2弦側で違うのがわかるでしょうか。
ストローク中心の人はどちらかというと深い溝が出来る人が多いと思います。
ギターを見るとある程度その人のプレイスタイルも見えてくるのでした。
なので,この度はナット交換ではなくフレットすり合わせで1フレットの弦高を稼ぐという作戦です。
しかもフレットをすり合わせると,実は音が良くなることもあるんです。
(」゜ロ゜)」 ナント!!
当然フレット山の形状が変わります。弦とフレットの接触面積が少し変わるわけですね。
メーカー製低価格のギターでフレット山がとんがり過ぎのフレットでは音色が細い気がします。
これをすり合わせると倍音と単音の響きのバランスが良くなるんですね。
手工品は仕上げに摺合せが入っていますので,最初からいいですよ。
さらに,フレットの山が0.2~0.3ミリくらい下がるのでテンション的にも押さえやすくなるメリットがあります。
(ノ°ο°)ノ オオオオ
2回くらいはすり合わせ可能だと思いますよ。3回目はフレットが少し低くなり過ぎる感じがしますね。
これをすり合わせて行きます。
最初に弦を外した後,ロッドを調整して,その状態で指板がまっすぐになるようにします。
定規を当ててフレットがまっすぐになるように調整します。
これはネックを見る経験が必要かもしれませんね。
そのあとすりわせ用の道具で削っていきます。
できるだけ均等になるように頑張ります。
きちんと6弦側もすり合わせました。
HOSCOのナットやすりのオレンジを使っているのですが,片方の面だけを使うことが多いですね。
フレットの山の頂点を残して,後は丸く山を作るのが目標だと思います。
そのあと,600~800の紙やすり,なないろんのオレンジ,赤と磨いていきます。
そうするとこれくらい光ります。テープをはがしてしまいます。
仕上げに「よごれとりつやの助」を使います。
これで指板ごとフレットを一緒に拭いてもOKです。
もうピカピカのフレットになります。
弦交換の際にも,フレットがくすんでいれば,なないろんオレンジと赤をかけるのもいいです。
フレットのくすみがそれほどでもなければ,つやの助をウエスにつけて指板とフレットを一緒に拭いてしまってもいいと思います。
この方法だと光沢が長持ちするように思います。
この蜜ロウワックスも使ったのですが,使った後の匂いが気になり,私はだめでした。
つやの助の方がいいです。
(ノ^_^) ハイ!
同じようにカポ5にして少し上のフレットから1弦を弾いてみます。
ジーンというバズリは解消されたでしょうか。
バズりが消えました。気持ちいい音が出ているので,typeBの実力もチェックするべくカポ5で演奏してみましょう。
この音はZOOM Q3で録音して,フリーエディターで前後を切って音量を上げただけで,いっさいリバーブなどの加工がありません。
ギターそのものの音色にすでにリバーブ感があるんですね。
弦鳴りと箱鳴りのバランスがとても気持ちいいのです。
皆さんも自分のギターの音を録音してチェックしてみてくださいませ。
弦鳴りと箱鳴りのバランスがいい時にとても気持ちがいい音がしますから。
PS もう相当昔の駆け出しの頃に,ノイズの原因をメール相談だけでこのカポからナットまでのフレットノイズであると一発解答を下さった,バナナムーン の松本師匠に重ねて感謝いたします。
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