L-00 typeB が出来上がってきました。どれもいい音です。 指板のバインディングについても考えてみました。このオプションはかなりお勧めですね。
typeBが完成してきました。
これは3兄弟なのか,3つ子なのか。
ともかく親ばかの気持ちなのです。
(≧∇≦)b OK!
ともかく音はどれもいいのです。
間違いなく設計が良く,素材が良く,作る技術も高くというギターですね。
そうなると残るは演奏技術のみですね。言い訳ができないギターですね。
(* ̄m ̄) ププッ
黒のボブレンケースですが,最近少し意識しているのは万が一を考えて,上蓋とつなぐひもを外に出すようにしていることですね。
なんとなくギターの上にこの帯がいつも乗っているのは良くないような気がするというオタクな発想ですね。
さて,今回新たなオプションで指板のバインディングについて考えました。
下の写真を見てくださいますか。
普通のL-00はフレットがこの上の写真のようになっていると思います。
でも,フレットのタングが端まで入っていると,デメリットもあります。
季節ごとに湿度が変わり,特に乾燥が冬に強かったりすると指板も痩せてきます。
指板は人間と一緒で背の高さが変わるのではなく,横に痩せたり太ったりするように思います。
木が痩せても,鉄は痩せないので,フレットの端のタングが少し飛び出すことがあるんです。
ショッピングセンターの中にある楽器店から空気の乾燥がきつい2,3月に買う際はこの辺をチェックするのも大切ですね。もちろん,湿度50%気温22度の中に入れておくと次第に戻っていくと思いますが。
タングが飛び出すと,最悪の場合スライドで手を切ったりするかもしれません。そうなるとやり切れませんね。
普通はそうならないように,タングをわずかに短く切って何かで埋めたりする処理もあると思います。
そういう事を考えたギターの多くには指板にバインディングが入っていたりします。
次の写真を見てみましょう。
フレットの端が飛び出さないので,季節が変わっても環境が少し変わってもいつでもなめらかなさわり心地というわけですね。
両者のメリットデメリットは何でしょうか。
実は私があまりセルバインディングを好きになれなった理由は,エボニーなどの指板材よりも先に縮むということです。
マーチンのD-45でもセルのバインディングが縮んでナットのあたりに隙間ができるのが少し気になるのでした。
でもラリヴィーなどは比較的安いタイプのギターでもバンディングにこだわります。
エボニー指板にセルバインディングだとセルの方が先に縮む傾向があると思います。 写真はラリヴィーの03クラスですね。
こんな風にセルバインディングが先に縮んで,ナットとの間にわずかに隙間が生じるギターも少なくありません。
しかし,同じ木材を使って指板にバインディングを入れるとこの縮みの問題は解決するように思います。
しかも,同じ指板の材料からバインディングを作れば少し手間がかかりますが,見た目もほとんど変わらず,フレットの端が飛び出さない,縮まないバインディングで理想ではないでしょうか。
かなり近づいてじっくりと見ないと指板の端にバインディングが入っているのがわからないですよね。
木目の色合いが近いとほとんどわかりませんよね。
反対側はエンド部分に縞があるので,少しわかってしまいますが。
でも言われて初めてわかるようなレベルです。
言われないとわかりませんよ。
また,指板の角の面取りも少し大きくしました。
これで弾きやすさもアップしています。また親指で6弦を押さえるのもかなり楽になります。
フォルヒが45ミリ指板でも弾きやすいのはこの面取りと関係があると思いますよ。
さて,この指板に同じ素材でバインディングを入れるというのは他のメーカーでもありました。
これもマダガスカルローズ指板だと思いますが,バインディングが入っています。
バインディングを入れるメリットはさわり心地以外にもありますよ。
バインディングはある種合板になるわけなので,その部分の強度が上がるという意見もあります。
指板もヘッドも全部巻くとその分強度が上がるという意見があります。
ボディの角をバインディングで巻いて強化するわけなので,これは正しいと思います。
(o⌒.⌒o) ウムウム
デメリットとしては,セルバインディングが縮むこと以外にフレット交換の際に,作業の手間が多くなるので,バインディング付きのフレット交換は料金が少し上がると思います。
そう考えると,この同素材のウッドによるバインディングはデメリットがほとんどない,ほぼやった方がいい,いや選択するべきオプションではないでしょうか。
最後に少し全体の見た目はどうでしょうか。
ブリッジもマダガスカルローズ。 ナット,サドルは無漂白ボーンで,少し飴色のタイプですね。硬さがあっていいと思います。
では音を少し録音してみましょう。
オリンパスのメモリーレコーダーで録ってみます。
最近はどのレコーダーでもあるレベルの音質で録れるようになりました。
この分野の進歩はすごいですね。
大切なのはマイクとの距離と位置ですね。
イヤホンで聞きながらいい音と感じる場所と向きにマイクを合わせて弾きますよ。
思いつくまま,ギターを握ったまま,適当に気持ちがいい音がするなーという勝手な気持ちでコードを弾いてみます。
自由に思った通りに音を揺らしたり,強弱を付けたりできますね。
ハーモニクスでレスポンスが少しわかると思います。
音が立体的に広がるので,これを弾いた後に20万クラスのメーカー品を弾くと平板な音楽に聞こえてしまいます。
(T_T) ウルウル
メーカー製のドレッドで音量があるギターでも,typeBに比べると何かダイナミックレンジが違う気がします。
typeBは弱音から強い音まで反応して,音に変える力があると思います。
(≧∇≦)b OK!
話がそれますが…私がこれまで最も感動したギターの音は2007年のニューヨークにさかのぼります。
N,Yのビンテージギターショップマット・ウマノフに行きました。
(すごいギターの中にその話がありますよ。)
そこには1932年のL-1で指板がボディトップにくっつかないエレベーテッドのジョイントを採用したタイプがありました。
価格は6000ドルに消費税8.25%です。
ギターのコンディションも完璧にネックリセットされており,ナット幅も43.5ミリくらいで弾きやすさも素晴らしいギターでした。
もしも,あの時が1ドル120円に近い時代でなく,今のように80円以下の時代だったら買って帰ってきたかもしれません。
あの時のレートでは,日本の相場よりもかなり高くて買えませんでした。
しかーし!今でも鮮明に覚えているのは店員のジェイソンがそれを弾いた時の音色です。
普段はバンドで活動しているという彼は,ブルース風の曲を爪なしのフィンガーピッキングで弾き始めました。
その音色があまりに素晴らしかったのです。
(ノ_・、) じーん。
当時私はまだサムピックを使っていた頃だったと思います。それを聞いてサムピックもやめようと思ったくらいでした。
岸部さんがアクリルなどの付け爪でジャンボボディのギターを弾いて,太く深い低音を出すのを聞くとこれまた素晴らしい音色だと感動します。
これも一つの完成された表現方法だと思いますが,あの時の私は,フィンガーで弾いた時の深みのある音色にもっとすごい魅力を感じてしまったのです。何か弦が指先の皮膚で摩擦された時に出る何か心地よい音が出るんですね。
高音はキラキラと,低音はしっかり出ていますが,わき役に回ってメロディーは歌っているように聞こえるのですね。
それがプリウォーのビンテージと相まって聞いたことがないような美しい音だったのです。
その後いろんなボディサイズや爪を工夫してみましたが,あの音色を超えるものは見つかりませんでした。
トミーもそうですが,スモールボディの指弾きというのは心地よい音が出る一つの組み合わせだと思います。
もちろん岸部さんのようなジャンボボディ,付け爪,カポ使用というのもいい音が出る一つの方法だと思います。
でも指先が弦を摩擦して作り上げる音色が柔らかくて癒されるんですね。
それを追及して行った結果がこのギターなわけですね。
そして,私の奏法もギターのおかげで少しずつ今でも変わっているような気がします。
無意識のうちに,あの時のジェイソンの弾いた,L-1の音色を追いかけているのかもしれません。
このギターにしてからまたアレンジに挑戦する意欲が湧いてきました。
ぜひ,皆様にもお勧めいたしますよ。
(⌒^⌒)b だね
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