中国旅行記 その2
香港の手工ギター製作工房 MathewGuitar を訪問しました。 そして,上海の楽器街へ行って来ました。中国でズイハオ(最好)なギターはどれでしょう?
香港には手工ギターのお店があると聞きましたので,そこも行ってみます。
マシューギターといいます。
このMathewさんが非常に興味深い人なのです。
クラシックのスタイルでギターを弾くのも上手ですが,ギターの製作からリペアから,レッスンからあらゆることに関心があるようです。 でも,今はラティスブレイシングのギター製作に力が入っているようです。
お店のギターを次々と出してくださり,弾く暇を与えないすごい接客です。
(* ̄m ̄) ププッ
このギターもそうですが,ネックジョイントはエレベーテッドでラティスなので,まさに巨匠トーマス・ハンフリーのギターと同じなのです。
均一に響く感じがクラシックを弾く人には好まれるのかなと思います。
鉄弦ではストロークもしたいので,ラティスで均一に響くよりもドンシャリに,低音は低音らしくドンドンと,高音は高音らしくシャリシャリと出てくれるギブソン的な感じの方がバンドサウンドを再現できるように感じて,好きなのです。
基本的にはクラシックのタイプが多いようです。
ビンテージのハカランダのギターも彼は塗装をやり直し,独自の理論で調整しているようです。
Mathewさんの迫力に押され気味の私。
すでにMathewGuitarはブランドとしても存在しています。
ギターの各部の名前を中国語でなんと言うかが分かるのでこういうカタログは勉強になりますね。
雪松(xue3 song1 シュエソン)と書いて杉つまりシダーなのですね。
松と書くので,日本語的にはスプルースかと思いますよね。
雲杉(yun2 shan1 ゆエんシャン)と杉と書きますが,これがトウヒの種類を指していて,えぞ松なども含む松なんですね。
松と杉の意味するところが日本語と中国語だと反対になるようなので,英語でシダー(杉)かスプルース(松)かで話をした方が間違いがないですね。
(  ̄O ̄)ホー
ちなみに楽器店はたいてい 琴行 (qin2 hang2 チンハン)ですね。
岸辺ライブの中国ツアーでも宣伝パンフに名を連ねるMathewさんなのでした。
オーダーしてくれれば,好きなところに名前とか,ツタの模様とか,貝で入れてあげるよと言われましたが,わたしにとっては飾りよりも
音が大切なんですね。
店員さんが押尾コータローの「風の詩」を弾いていました。
香港では知られているんですね。
(ノ^_^) ハイ!
その後マカオにも行って見ます。
ちなみに中国人にマカオと言っても通じません。
中国語では アオメン と言います。
たくさんのホテルがカジノを経営しています。
ホテルの中を河が流れてゴンドラに乗れて,まるでディズニーシーのようなところもあります。
でもギターショップは香港の方が多くあります。
マカオのトム・リーにも行ってみましたが・・・
マカオのトム・リーも行ってみましたが,小さなお店でした。
マカオでギターはあまり期待できませんね。
でもどこに行ってもヤマハのピアノが進出していますね。
香港もマカオも特別行政区で中国の一部なのですが,車のハンドルも反対で実際は西側諸国にいるような感じですね。
香港の地下鉄は東京にいるような錯覚を覚えます。マカオにはダイソーもありました。
そこから陸続きで税関をくぐると・・・・。
いきなり人々の話し声の音量が上がり,マナーもルールもがやがやと中国的になります。
マカオから中国へ税関をくぐった時はさらに強烈にそのことを感じました。
陸続きで別の世界になるというのは面白い経験です。
(  ̄- ̄)フムフム
さて,中国国内の地方都市でも楽器店に行って見ましたが,あまりに香港とのギャップを感じました。
でも,音楽レッスンは非常に人気があるようで教室がたくさんあるのに驚きますよ。
中くらいの都市でもピアノ,ギター,フルート,バイオリンのレッスンがありたくさんの子どもたちが通っていました。
ギターの教室をのぞいてみましたが,先生はエレキで生徒はアコギでやっていましたよ。
地方都市の教室がある楽器店ですが,左にかかっているギターはかなりお安いギターですね。1万前後だと思います。
もちろん合板ギターですが,かなりクオリティが上がってきているのを感じます。
でも,どのお店に言っても私が「この店で一番良いギターは何ですか?」と尋ねると。
「是 雅馬哈。」 ( ヤマハです。)
DVD付きの教本を買って帰りましたが,先生が持っているギターもヤマハでした。
中国でのヤマハブランドの強さを改めて実感するのでした。
地方都市の楽器店に高いギターがなくても仕方ないですよね。日本でも同じですしね。
でも経済発展では最高といわれる上海ならどうでしょうか。
そこの楽器事情はどうでしょうか。
(・_☆) キラーン
いよいよ上海です。
お茶の水とか神田のように楽器店がずらーっと並んでいる地区があります。
この300番~400番方面へ行きますと右も左も楽器店なのです。
せっかく中国に来たのでその中でも,マーチン,ギブソン,テイラー等なく,中国産のギターを中心に扱っているお店に入ってみます。
たまにヤマハとタカミネがありますが,見たこともない中国産のギターが並んでいます。
その中でも好奇心を刺激されるギターがありました。
JAPAN と書いてありますが,この値段で日本製はあり得ないでしょう。
しかも,ギターの名前が Toyama なのです。
( ̄ヘ ̄;)ウーン
一体なぜ・・・トヤマ?
富山 なのか? 富士山 を簡単にして 富山なのか?
はたまた,ヤマハ YAMAHAのロゴに見せかける作戦か?
分かりませんが,弾いてみたくなりました。
メイプル合板のサイドバックです。
でも驚くのは塗装の感じとか作りのレベルは上がっていることですね。
これが2万円台のギターですね。
音のコメントは特になしということで。次のお店に行きましょう。
♪~( ̄ε ̄;)
次にも,中国製が並ぶお店に入りました。
私はいつも同じ質問をします。(中国語初心者だから)
「このお店で一番いいのはどれですか。」
出てきたのは,EASTMAN でした。
確かに中国製です。北京の方で作っていると思いました。
値段も日本の価格とほとんど変わりません。
中国製でいいギターというのは結局,日本とかアメリカ向けに作られているものという気がしてきました。
私が聞いたことがない中国製のギターでいい音のものがありました。
これは試奏した中でも間違いなく,OKが出せる音です。
これは何なのでしょうか。
Wave Garden 全く知らないブランドですが,作りもある基準をクリアしています。
音もそうです。ペグもグローバーのオープンバックです。値段は6万くらいです。
こういう時は何か秘密があるはずです。
店員さんに聞いてみました。
なんと Johnson と同じ工場のギターだというのです。
ジョンソンは生徒さんも持っていましたが,値段からするとすごいギターでした。
結局いいものはアメリカ向け日本向けの中国製品ということですね。
ちなみに,中国でコルグのAW-2Gのチューナーを持っているとヒーローになれますよ。
チューニングだけで・・・
(ノ°ο°)ノ オオオオ
とか言われることがありますよ。
最近はキティちゃんもありますので,私も買ってみました。白黒あります。
さらに別のお店に行ってみます。
今度はこの通りの中でも,マーチン,ギブソン,テイラーを扱っていて,楽器店ではない本格的なギターショップです。
英語だとワールドワイドギターという感じですね。
マーチン,ギブソン,テイラーも日本と同じ値段か少し高いくらいですね。
ここはエレキにも力が入っていますので店員さんもなにやらロック系の感じです。
興味深いのはロック系の店員さんは世界中同じような雰囲気になるのが不思議ですね。
ここでも店員さんに質問します。
チンウェん。(お尋ねします。)
あなたが一番良いと思うギターは何ですか。
なんと彼はお店の二階にあってまだ出してないハカランダのギターがあるけどそれがすごくいい。
弾いてみるかい?
というのです。
持ってきたのはなんと。
Sヤイリなのです。
「(≧ロ≦) アイヤー
でも普通のSヤイリではないのです。ハカランダ単板だというのです。
サア・・・( ̄ー ̄∂) ポリポリ
限定品でこれしか入っていない特別な商品だというのです。
裏板を見ますと・・・
確かにハカランダの板目に見えます。
香りもハカランダのようです。
でもマダガスカルローズなどもそっくりなものがあり,混ぜるとプロでも分からなくなるものがあると言います。
値段を聞いてみればどうでしょうか。日本ではハカランダなら材料費が30万くらいアップしますから。
これはいくらですか? (最も中国で使う基本会話のひとつですね。)
12万円くらいというのです。
(⌒-⌒;) ・・・・
ますます怪しいです。
でも音はどうでしょうか。
弾いてみます。
♪ ボロローン!
(≧ω≦)bグッ
いい音。弾きやすい。確かにこれは普通のSヤイリではないですね。
でもハカランダ単板かどうかは・・・
(ー'`ー;) ウーン
分かりません。
本当なら13万は安いのですが,ここは中国ですので・・・なんとも言えません。
でも,一番いい中国製は日本向けに作られたものであることは分かってきました。
なんだか日本製のアコギの製造技術レベルは世界的にみてもかなり高いのかもしれないと思えてきました。
実際そうだと思います。
Kヤイリもヘッドウェイも作りはすごいですね。
いい音を共に感じる瞬間があります。
いい音を共有するような感覚ですね。
そういう時は言葉は少なくても何か親しくなれる気がします。
ロック系の店員さんは世界中なんとなく似ていますよね。
謝謝!再見!
この後,上海でもすごいギターショップに行く事になるのです。
それはぎ・・・
つづく。
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