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niioka

イサトさんの音楽を振り返る

更新日:2019年3月22日


イサトさんのCDと楽譜が一部再販です。

中川イサトの音楽をもう一度振り返ってみました。 昔は教材としてとらえていたものを音楽CDとして見直してみたら・・・

でも,間違いなくアコギ界に大きな足跡ですね。




なんだかイサトさんの追悼みたいな雰囲気になっては困りますが,最近イサト師匠の楽曲を見直しています。

今から20年ぐらい前の自分は,イサトさんの曲を課題曲とか練習曲としてとらえていて,正直まともに音楽として聞いていなかったような気がします。


(ToT)>゛スミマセンデス。


CDを流していても,チューニングは? KEYは? カポは?などと考えていたりしました。


でも,ある時からイサト師匠のコピーをやめたので,逆に音楽CDとして聞けるようになってきました。

ところが,昔の完全なプライベート録音の自主製作盤は,ラインからの直接録音でアコギの音ではなかったのです。 MファクトリーにレキシコンのサウンドをDATに録音したものでした。


アコギと思って聞いた人は・・・。

ヽ( ̄~ ̄ )ノ ハテ? これはアコギの音だろうか。


と思う方もいるようです。



でも,当時のあのサウンドは斬新だったので,練習曲としては良かったんですね。


しかし。 音楽的なものとしてとらえるとやはり,アコギの生音がもう少しあった方がいいに決まっています。 そういう録音的な部分が良くなってきたのはドイツレコーディングからでしょうか。


そして,この当時のピンポン玉の付け爪と強めのタッチからくる,イサト師匠のサウンドがあります。

これは音色が少し太くなる半面,右手の指先の皮膚を使ったコントロールは薄くなるように思います。

多彩な音色はピックよりも指先にあるように,付け爪よりも生の指先でコントロールする方が深みのある音が出る気がします。

(ノ^_^) ハイ!


そういう奏法をするようになってから,純粋にイサト師匠の曲を弾き直すとこれまた新しい解釈というか,自分の解釈の演奏になったような気がする時もあります。


音色的に指先のこすり弾きの音で昔のイサトさんの曲を弾くというのがこれまた楽しい作業です。


このお茶の時間というアルバムが1970年ということがすごいです。37年前にかすていらのかおりなどの曲をすでに作っていたのでした。




しかし,お勧めはこのCDですね。 他のページでも書きましたが,OPUS1310が入っています。

日本のアコギを意識し始めた「きつねの嫁入り」という曲が入っています。 これは実際に名曲というわけではないと思いますが,洋楽を追いかけたコピーではなく,オリジナルとは何かを考えるイサト師匠のターニングポイントだと思います。

そういう1曲って誰でもありますよね。





当時の曲のは「ミスターギターマン」という楽譜になっていました。 1と2がありました。

私は昔から楽譜は即買うという習慣を持っていたのが良かったと思っています。

あとから「あれのコードは・・・」という時に楽譜があるのとないのではかなり違います。

そのおかげで書棚がに弾かなかった楽譜がたくさんあります。

(* ̄m ̄) ププッ


でもこれから役に立つかもしれませんし。



とにかく,そのミスターギターマンが1&2で一緒になって楽譜再発売なのです。 曲目をチェックしてみてください。


歌ものもありますが,六番町RAGや箕面6-5-2,そして不演昌にオレンジが入っています。懐かしいです。

【収録曲】アイスクリーム屋/ひなたぼっこ/ゆうだち/黄昏気分/プロペラ市さえ町あれば通り1の2の3/風の吹く朝/俺が旅から帰った時は/ごきげんよう友部君/ゆきしぐれ/街は/涙のポロポロ出る夜は/その気になれば/あふたぁぬうん/西風/750ccRag/陽気な日曜日/かすていらのかをり/スクランブル/Waltz/セブン・ブリッジ/自転車Rag/うたたね/六番町Rag/おやすみ蓮君/きつねの嫁入り/OPUS1310/三文楽士の休日/不演昌/箕面6-5-2/Wait/Nobody Knows About My cares And Nobody Cares About My Nose Rag/六番町Rag/朋美の散歩/連/#24/#27/オレンジ/




それだけではないのです。

イサトさんこのあとメジャーレーベルを離れて自主製作で浪速レコードで本当に当時レコードを作って通販していました。


それが後にCDになり,私はレコードで持っていたのに買い直したりしたものです。

その当時でも一度売り切れると,再版されるまで非常に時間がかかりました。 1回のプレスの枚数が何百枚なので,わずかなニーズで再販できない事情があったと思います。



しかーし!この度当時の自主製作シリーズが復活したのです。

(ノ°ο°)ノ  オオオオ



最初に出たのがこれだったと思います。


Pepper And Salt Meat Rag/ 水溜り/ 加壽帝羅/ Moon Faced Woman/ 哀愁の千里山/ Fickle Rag/ 静香/ Flood Tide/ Water Skipper/ Yasu-Rag/ らぐーん/ Namu/



この楽譜がついに発売になりました。



この中のウォータースキッパーはイーグルスのアコギ2本の曲をもじったような感じでした。 フラッドタイド,ペッパー&ソルトミートラグなども元ネタを後日発見する面白さがありました。

バミューダなんとかというラグで,打田十紀夫さんのレパートリーに入っていますね。


あらゆるものを吸収しようとしていた時期だったのでしょうね。



次に出たこのアコースティックセレナーデも非常に良かったですね。

Stompin' At The Savoy/ Lullaby Of Birdland/ Medley: Misty~ Srardust/ St.Thomas/ Stella By Starlight/ Rockin' Chair/ Stray Cat Two-Step/ Koppe/ ノスタルジック・テューン/ 茴香/ せれなあで/


せれなあでという曲が本当にきれいでした。 JAZZのスタンダードから始まり,後半はオリジナルです。


ストレイキャットツウステップは良く練習したものです。 これの元ネタ(?)も発見しました。これは後半パートの感じにそっくりですよね。 もちろんラグタイムは似たようなコード進行が多いんですが。




ストレイキャッツはいい曲です。ヽ( ´ ▽ ` )ノ ハーイ





これも楽譜が出ました。





でも,私がもっとも衝撃だったのはこの浪速レコード第3弾 あいらんど です。



あいらんど/ 蘭/ Big 44/ Floating Cloud/ Poh-Han's Theme/ Goosefoot/ パスタ/ Lefty 25/ Orange #2/ Shadowy Key/


このレコードにはたくさんの名曲がありました。

この一曲目「あいらんど」は,6弦のC,5弦Gがチューンドロップで図太い音がマグネチックピックアップで迫ってきます。

当時オーディオには少しこっていましたので,この低音はなんだろーと思ったのが懐かしいです。

この蘭という曲も,リック・ラスキン風といわれていますが,いい曲です。 生徒さんにも人気があります。

砲艦サンパブロ という映画の中の人物からイメージを得た,ポーハンのテーマという曲があります。


これはライトハンドタッピングが入る曲で,テンポはゆっくりでメロディーもありますが,最後のパートが非常に印象的です。 低音弦もドロップがすごくて,確か6弦はGだったと思いました。

テンションゆるゆるでちょっと強く押すとシャープする感じで押弦まで気にして弾く曲でした。

そして,シャドウィキーです。 これも名曲ですね。


いまだにやりたいという生徒さんがたくさんいますよ。 挑戦はされますが,最後までしっかり弾ける人が少ない曲でもありますね。


DADGADのグースフットはベンスーザン風でしょうか。

この頃はすでにマイケル・ヘッジスの影響が強くなっているのでしょうね。でも,このあいらんどはお勧めの1枚です。



そして,このあとはCDでした。 レコードやテープの時代は終わり,ついに自主製作もCD時代になりました。


Snow/ At The Fat Tuseday's/ 甍/ Far North Cafeteria/ せめて夢の中ぐらい/ Perugino/ Momo And Taro/ 伽羅/ Crescent Moon/ もう引き返せない/ Yappari A Minor/ 黄金千貫/


この中でも既にボディヒットを使うようになっていました。 でも叩きながら弦も弾くというのではなく,叩くと弦を弾くのはちょっとお休みというパターンの叩きでした。


ここが押尾さんのすごいところですね。 ヘッジスも叩きながら,メロディーを弾きますよね。


しかし,ある世代の方からイサトさんの曲の方が安心するという意見を聞いたことがあります。 情報量が多いからいいというわけではないんですね。ここが音楽の面白いところです。

伽羅(きゃら),甍(いらか)などはヘッジスくさい曲ですよね。

(* ̄m ̄) ププッ


歌ものが2曲あって驚かされたりします。


でも,何よりもテーマ曲の「クレセントムーン」です。

D6でカポ2のE6ですが,メロディーがわかりやすくきれいな曲で,3拍子というのがまた癒し系の感じがしていいですよね。

心臓の鼓動が3拍子だから人は3拍子を聞くと胎児の頃を思い出して,落ち着くという説を聞いたことがありますが,それはさておき癒し系のいい曲です。


誰かの結婚記念日にでも弾いてあげたい曲です。


でも,この復刻版CDの方がいいのは最後の2曲が入っているのです。 これは割と新しい曲です。

やっぱりAマイナー,黄金千貫(焼酎に使ういもの名前ですね)もいい曲ですよね。


このアフターアワーズは有山じゅんじさんとのデュオです。


PERUGINO/ AIN'T MISBEHABIN'/ 不演唱#2/ C・RAG/ 夕焼け雲/ CHOTTO TROPICAL/ ROULER SA BOSSE/ GEORGIA ON MY MIND/ AFTER HOURS/ 月の唄が聞こえる/


これがまたかっこいいんです。

ヽ(・_・;)ノ ドッヒャー


ペルジノのツインに始まり,ROULER SA BOSSE がまたいいんです。

ブルース・コバーンの曲だったと思います。 オリジナルはクラリネットとのデュオでしたが,ギター2台が歌うように絡んでいきます。

ちょっとトロピカルとか,不演昌#2,アフターアワーズなどなどいい曲です。


歌も有山な曲で味わい深いですよ。 2004年に生で「月の歌が聞こえる」を有山さんの秋田ライブで聞きましたが,皆さん知らない中で私だけが知っているという曲でした。


有山さんのブルースは味がありますね。



そして,その後は「太陽風」(再販されていないんです。昔台湾バージョンがありました。)と来て次はこれです。

蜃気楼の王国でした。


Scarecrow/ Hosetail Blues/ Little Kota/ 爪紅/ Pompelmous/ 第三帝国の黄昏/ Galland's Dream/ Theremin/ Polestar/ 逃げ水/ Stonehenge/ 海市


このアルバムもすごかったですね。

リトルコータなどスタンダードチューンの曲もありましたが,第三帝国とガーランドの夢はまさにヘッジスの世界でした。 でも,ガーランドの夢のボディヒットをライブで聴いて,PAからガンガン来たときには,「これだー」と感動して,ラリビーとGIG1310を買うようになるわけだったのです。


ちょっとマイナーキーの曲が多かったですが,今演奏してもいいかなという曲が確かにあります。 ヘッジス的影響が濃い所もありますが,イサト節が流れているアルバムで私はとても好きです。



かなり濃いアルバムの翌年に出たアルバムはリラックスして聞ける,まさにいつも着ているジャケットのようなアルバムです。


It's Only A Paper Moon/ As Times Goes By/ Annie Laurie/ On The Sunny Side Of The Street/ The Water Is Wide/ 花/ In A Sentimental Mood/ 'Round Midnight/ Nobody Knows You When You're Down And Out/ Amazing Grace/ 上を向いて歩こう/ Going Home/ *Bonus Track: Arirang/ 何日君再来"Hau Ru Jin Jai Lai"/ 浜辺の歌/


これも肩ひじ張らずに聞けます。 チェットスタイルのオルタネイトベースでリズムをとって,メロディーは8分に単純化したりして,とっても聞きやすく,弾きやすくなっています。

名曲ぞろいです。スタンダードだから。


この復刻CDはさらに3曲追加になっています。

\(  ̄∇ ̄)/ エーーーッ!


秋田になじみ深い,「浜辺の歌」も入っています。



このあとイサトさんはピーター・フィンガーのいるドイツのレーベルからCDを出すことになります。


ドリームキャッチャー

レインボウチェイサー

そして,ツリーサークルです。


これらの楽譜がついに出たのです。


(私が持っているのはドイツ版ので,これはKMPです。)


名曲「クラレンス」が入っています。 テンポもゆっくりなので,たぶん弾けると思いますよ。 イサトさんは手が大きくありません。私と同じくらいです。


それで,コードの移動時には開放弦を挟むようなアレンジを良くされます。 これは非常にいいと思います。

演奏に気合いを入れすぎなくても弾ける曲でないと,表現まではいけませんよね。





このアルバムは持っていてもあまり聞く機会が少なかった方のCDですね。

o(T□T)o




このツリーサークルでついにイサトさんはある域に達したのかなと思ったりしたアルバムです。

ヘッジスをしのぶ名曲,「スプリンター」など入っています。


私的に非常に聴きものとして,いいアルバムだと思いました。 自分にとってギターの練習用のCDという枠をついに超えたと思ったのがこのアルバムでした。

イサトさんが変化していたはずですが,私の聴き方もこの頃変化していたのかもしれません。




そのあとの純粋なオリジナルアルバムはこの リアルシング です。 本物というような意味だと思います。



あがりこ大王とか黄金千貫など入っています。 今のアジアのギタリスト,イサトさんの演奏が入っていますね。




数々のアルバムの中でも好きなのがこのベストです。 フットプリンツは録音し直していて,アレンジが変わっていたりするのがまたいいんですね。




そのまんまの楽譜集があります。 これはお得といえます。


きつねの嫁入り セブンブリッジ オレンジ3 加壽帝羅 Opus-1310 Stray Cat Two-Step 堂山町の夜は更けて Water Skipper 風の谷 伽羅 Crescent Moon 海市 Mah-Jong Piece 檳榔樹の木陰


名曲「びんろうじゅの木陰」があります。 いいと思った曲がほとんどカバーされていますので,これはかなりお得でしょう。



しかし,イサトさんが昔ライブで言っていましたが,以前の曲のアレンジを変えると「前の方がええやん」とか「また練習せなあかんやん」など文句を言われるということでした。大阪的ですね。

(⌒Θ⌒)ぷぷぷっ♪




そういう場合は,このアルバムでしょう。


当時のままの音源で入っているベスト盤ですね。

あいらんど(1990年)/ St. Thomas(1990年)/ Moon Dance(1990年)/ Theme For Good Fellows(1991年)/ Rolling Menu(1991年)/ 今度誰かを愛する時は(1991年)/ Harpoon(1994年)/ 逃げ水(1995年)/ 琵琶湖周航の歌(2000年)/ 何日君再来(2000年)/ 竹炭鈴(1997年)/ 海市(1997年)/ Going Home 1997年)/ Water Skipper(1998年)/ Clarence(1999年)/ Bonus Tracks: Maria Ellena(1991年)/ Caribbean Dance(1991年)/




でも私的には近年の一枚をあげるとなれば,これです。



丸山ももたろうさんとのデュオですが,マーチンのOO-18Vの生音で録音されています。

ついに回り回って,イサトさんがマーチンのスモールボディの生音に戻って来たのです。

「(≧ロ≦) アイヤー


ライン録音でCDを作っていた時代からすれば大きな変化ですね。

このアルバムを聴くとももたろうさんの音がとってもいいのです。 私的には非常に好きです。


やはり,音色が大切ですね。


イサトさんの音と,ももたろうさんの音の違いなどその辺を聴き比べるのもいいですね。



コストパフォーマンスで言うとこのDVDも面白かったです。


故高田渉さんや忠英さん,律さんなどなどのセッションでも生音のギターとピックアップサウンドとのマッチングなども見所です。 値段の割に楽しめましたよ。





日本のアコギ界に多大の影響を与えてきたイサト師匠。


岸部さん,押尾さん,小松原さん,倫典さん,ももたろうさん,下山さん,他にもたくさんの人たちに影響を与えてきましたね。



昔,イサトさんが出したビデオ,「エレクトリック・アコースティックギターの基礎知識」の中で一緒にペルジノ,オレンジを弾く人がいます。


イサトさんの教室の卒業生第一号といわれ,名古屋教室を開いていた人です。


その時代の裏舞台の話を知ることができます。

このビデオで非常にお金をかけたイサトさんのシステムよりも,タカミネの方が音が良く聞こえたのは私だけでしょうか。

(ToT)>゛スミマセンデス。


(一応解説しますと,このビデオで塩見さんが使うタカミネは弦高調整をしていない新品のものとエッセイにありました。もう一度見直してみると確かに弦高が高いのをなんとか弾きこなしています。そのテンションとか音圧が高い感じの音がやはり,通りがいいんですね。イサトさんはこの頃エフェクトしすぎの感じですし。)


このエッセイは読みごたえがありますよ。 ぜひ,時間をかけてトライしてみてください。




多くの人に影響を与え続けるイサト師匠の秋田ライブをいつか実現したいものです。

(ノ^_^) ハイ!

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