OMの薄いボディとセミジャンボの厚めのボディでマグネチックの音は変わるでしょうか。同じピックアップを違うボディに付けると音は違うでしょうか。NEO-Dハムバッキングで実験です。NEO-Dハムのコメントもあります。
私が推奨しているシステムはマグネチックピックアップにコンタクトピックアップを付け加えたものです。
コンタクトの音がギターによって,もしくは取り付け位置によって違ってくるというのはイメージがわきますよね。
(ノ^_^) ハイ!
でも,マグネチックの音はどうでしょうか。
マグの音はギターによって変わるでしょうか。
( ̄ヘ ̄;)ウーン
だって弦振動しか拾わないんだから,大差ないでしょ。という声が聞こえてきそうですが,実は違いがあるんです。
というよりも,かなり違うんです。
あまり知られていないかもしれませんがマグの音はボディサイズでも違いが出るんです。
(ノ°ο°)ノ オオオオ
マグの音なので,そのギターの弦のテンション感は当然表現します。
弦が張りつめた感じであれば,それは再現されます。
ゆるい感じであればそういう音で出力されます。
もしもテンションが同じだっとしても,箱の厚みは音に関係があるんです。
実はかなりまえから体験的にラインの音はドレッドの方がスモールボディよりもいい音になることが多いなーと思っていましたが,今年JAZZの宮之上先生と話していた時のことです。
宮之上先生は「必ずフルアコを買うべきです。セミアコではアコの音は出ませんから,みんな後から必ずフルアコを買い直すことになるから最初からフルアコを買うべきなんです」という話をしてくださいました。
でも,私が「エレキのピックアップで弦振動しか拾わないのに,セミアコとフルアコの箱の厚みでそんなに音が変わりますか?」
というような内容の質問をしてしまいました・・・。
すると・・・。
「(≧ロ≦) アイター・・・
「そら違うに決まっているでしょ…何を言ってんの,アタリマエダの話だろ」というような話になりました。
(※表現は忘れましたが内容はそんな感じです。)
そうなんです。セミアコのボディは薄いです。
フルアコはいわゆる「アーチトップギター」の形で箱が厚いのです。
以下のヤマハのサイトで音も聞けますし,イメージも見れますよ。
上記のサイトでもセミアコはエレキに近い音がしますよね。
マグしか使っていなくてもこの違いが生じるわけです。
以前にある生徒さんが,国産のOMのギターとハカランダの高級海外製ドレッドのギターにLRバッグスのM1をそれぞれにつないで音を出してみたら,ドレッドの方が完全に音が良かったというのです。
「ドレッドの方が高いギターだからやはりいい音だ」という結論に彼は達していましたが,実は違ったりします。
もちろん高いギターの方が鳴り方がいいのですが,それよりもボディサイズで逆転することがあります。
では,実験してみましょう。
いつもの機材です。
プリアンプはクルーズ。 アンプはアレシスのトランスアクティブ50です。
NEO-Dハムバッキングの登場です。
ちょっとNEO-Dハムの話です。
以前に,NEO-Dのシングルコイルを使って1弦の音が細く感じるという方が数名おられました。
もちろん,ギターの調整などで1弦のテンションだけが2弦よりも低くされた場合など,生音を耳で聞く分には大きな違いを感じなくても,ナットの1弦みぞだけが0.1ミリ低かったりすると1弦の音量が明らかに小さくなる場合があります。
元々1弦の質量は小さいわけです。
その振動も当然小さいわけです。
それで,ナットの溝がわずかでも低くなりテンションが足りないと音量も下がる場合があります。
理由はどうあれ1弦の音だけが引っ込んだ感じに鳴るのはバランスが悪いので困ります。
1弦だけゲージを変えて,013の方がバランスが取れるギターもあると思います。
でも,NEO-Dがハムバッキングになってこの傾向はかなり薄くなったと思います。
ハムの方は多少のテンション感のばらつきがあっても,「音量が小さいな」とはあまり感じさせないと思います。
NEO-Dハムをお勧めする理由は,ノイズに強いという点にさらにこの点も加えてもいいですね。 でもケーブル交換は必要と思っています。交換したものをご紹介できますよ。
実験用のエンドピンボックスからステレオケーブル,そこから,クルーズへ。
例によってアンプからの音はR-1で直接録音します。
ではまず,OM代表のコリングス OM-2Hに取り付けましょう。
調整がほぼ完了し,非常に低い弦高でもいいバランスで鳴ってくれます。
97年ものですので,あと5年で15年ものになります。
ここからもう少し枯れてきてビンテージ風味になればいいなと思っています。
定価では60万以上のギターです。そのOMのサウンドは非常にいいです。
音のバランスが絶妙な感じがします。
シングルオー(O)ほどプレーン弦の弦鳴りが強く出過ぎず,ドレッドのように低音が出過ぎずまさにフィンガーで弾くとバランスがとれた音がしますね。
弦高は12Fで2.1ミリの1.6ミリです。
最近はこれか,2.0ミリの1.5ミリです。
プロの多くはこれくらいの弦高ですね。
この弦高でも箱が鳴るギターが本当にいいギターですね。
では,聞いてみましょう。
どうでしょうか。プレーン弦の張り出しがありますね。
OMは一般的にはボディの厚みが上部で90ミリでおしりの厚い方で105ミリくらいだと思います。
アストリアスのOMにはもっと薄いボディのものがあります。
生音のレスポンスはいいと思いますが,セミアコとフルアコから言えば,セミアコ的な部分もありますよね。
では,今度は値段は3分の1くらいの日本製セミジャンボ系です。 (正確にはモーリスのSは微妙にボディの形状が違ったりしていますが,大まかにOM,ドレッド,SJとすればSJに近いと思います。)
頭の部分が小さめですが,お尻はセミジャンボクラスでしょう。
でも重要なのはボディの厚み(DEPTH)ですね。
上部が100ミリ近くで,お尻は115ミリはあります。
ちなみにドレッドは105から120ミリくらいあります。
明らかにOMに比べるとボディの厚みを感じますね。
実は私はモーリスのSの中でこのS-92が一番ではないかと思うことがあります。
わざわざ塗装が表板に引いて行くのを15年も待つくらいなら最初から塗装を薄くすればいいと思います。
つや出し塗装よりもつや消しの方が塗装を薄くできると思います。
これまで新しいギターでもいい音と思ったものの多くはつや消し塗装でした。
特に低価格の場合は,この傾向がはっきりすると思います。
S-101などこれよりも高価なギターを持つ人がこのギターを試奏して,「交換してくれ」と言います。
もちろん私が調整したという部分もありますが,極うす塗装にシダートップのマホボディで,最初から鳴るギターになっています。
テンション感も程よくあるので,12Fで2ミリまで落とせると思います。
もしネックのコンディションが良ければこれはいいかも。
プレーン弦の太さはさすがに何年も弾きこまないと出ませんが,Sシリーズの中では私は最も実用性が高いと思っています。
でもうちは本数制限がありますので,放出されるでしょう。欲しい方は早めにどうぞ。
(^∧^) スマンノウ
いわゆる南澤大介モデルですね。
ブリッジにピンがないというのも慣れるといいかもしれません。
さて,SJの厚みの音を聞いてみましょう。
いかがでしょうか。全く同じピックアップです。
ボディの厚みによりマグの音は違うでしょうか。
好みはどちらのボディの音でしょうか。
やはり,セミアコ理論からすると厚みのあるボディの方がアコギらしいと感じるでしょうか。
OMのサウンドは生音が最高ですね。
生音にこだわる人の多くはOMボディのギターを選ぶことがあります。
やはり,このサウンドをラインで再現するのは難しいですね。
それくらい絶妙なバランスなのですね。
ラインの音を良くしたいと考えた場合には,ボディが厚い方が有利と言えるかもしれません。
OMのラインの音のようにプレーン弦の音が張りだすと,コンタクトとのバランスが取りにくくなります。
最終的にはなんとかバランスを取るのですが,マグの音がよりアコギによっているSJの方がラインの音の完成度は上がると思います。
実はコリングスのOMにピックアップを付けた音よりも,フォルヒのG23にピックアップを付けた時の音が良かったのです。
(; ̄Д ̄)なんじゃと?
ギターの値段の問題ではなくボディサイズが(厚みが)ラインの音に影響を与えると思います。
余談ですが,これまで最もラインの音が良かったと思ったギターの一つは,ドレッドでした。
トップが厚めのスタMのNIIOKAモデルでした。
コールクラークもそうですが,トップに厚みがあるというのがラインの音が良くなるポイントでもあると思います。
ラインの音を中心に考えると,SJやドレッドがいいでしょうね。
インブリッジピエゾでも実はボディが大きい方がいい音が出ます。
ハミングバードのラインの音などインブリッジなのにまともな感じがするのは,エレアコよりもボディが深いからという要素が大きいと思います。
今日の結論。
ラインの音中心のギター選びもあると思います。
でも,OMだからいい音にならないというわけではありません。
もう少し弦高が高くて弦とピックアップの距離があったりすれば,また少し違ったりすると思いますし。
ラインの音が良くなるかは,細かい点の個体差も関係しています。
でも,ボディサイズという要素は大きな要素の一つとしてあげられると思います。
やはり,買うのが1本となればセミジャンボなのかな。
ストロークもフィンガーもOKで,ラインの音もアコギらしいとなれば…。
(≧∇≦)b なるほどっ!
もしも,予算に限りがあり1本だけ買うとなって,ラインも生音も両方良くて,フィンガーもストロークもといういわゆる万能型(バーサイタル)なギターを欲しいと思うなら・・・。
テイラーなら,14のボディですね。
フォルヒなら,Gボディ(かSボディ)ですね。
マーチンなら,J-40とか,Mボディでしょうか。
ラリヴィーならLボディか,Cボディですね。
ちなみに昔々,私がギターの板の何の知識もない時代に,耳だけで選んだギターはラリヴィーのCボディでした。
その頃に耳だけで選んだ弦はダダリオEJ16でした。
その後,ギター行脚をして様々な調整を試みて,様々弦もテストしてみました。
そして,出た結論は・・・。
やはり,ラリヴィーのCとLなのです。
そして弦はダダリオEJ16なのです。
(」゜ロ゜)」 ナント!!
振り出しに戻って来たのです。
でも,この度はいろいろな理論やうんちくを理解した上での選択です。
しかも,音色に対する感性は最初にラリヴィーを買った頃よりもレベルアップしていると思います。
それでも,同じ結論に達するというのは興味深いところですね。
今のお気に入り ラリヴィーL-10 はまた別のページで。
ボディの厚みでラインの音は違うんですね。
∠( ̄∧ ̄) ラジャ!
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