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niioka

NYのビンテージギターショップ訪問しました。


NYのビンテージギターショップ マット・ウマノフに行ってみました。 すごいマーチンを弾いてしまいました。 何と1840年です。その時代のマーチンはどんなものでしょうか。




NYに行ったならばやはり,ビンテージギターショップに行ってみたいものですよね。



グリニッジビレッジという場所にある,マット・ウマノフ(ユマノフ)に行ってみました。



しかし,この界隈は芸のいやゲイ(男性の同性愛者)の町らしいのです。 Tシャツの白人男性が2人で肩を組んで歩いていたりします。

女性も年齢に関係なく,ビーチサイドにいるかのような格好で歩いていますので,この辺は何でもありのような雑多な雰囲気があります。



お店も店名がなく中は見えず,ドアだけの怪しいところもあったりします。



でも,この通りはピザ屋さんなどがあり,少し明るい感じがします。 その中でも,健全な雰囲気のするのがビンテージギターショップですね。




一般にエレキ系のショップではハードロック系やメタル系の比率が高くなるので,わたしはどうしても黒いTシャツにどくろのイメージがあって入りにくいのです。


ビンテージのアコギなどに惹かれる人種はやはり,ちょっとオタク系というか英語で言う,NERD(ナード)という感じがしますね。



アメリカ人の友人にナードってどういう人か尋ねてみると…。

「チェックのシャツを着て,眼鏡をかけて,本を片手に持っているような…」



「(≧ロ≦) アイヤー  


そのまんま 私ではないですか。


マット・ウマノフの前に立つ,ナード新岡です。





ガラスケースの中には高いものが並んでいます。




カウンターの後ろにはビンテージギターがずらりと並んでいます。


コンディションのいいビンテージが置いてあるのですが,値段がまた高いのです。 ここではギブソンのLG-1くらいしか買えないかも。


日本と違いニコニコした店員が近付いては来ません。


あれが弾きたいというと,テキトーにチューニングしてホイッとギターを渡してくれて終わりです。 あとは自分の仕事に戻ってしまいます。

あのー,次はあれを・・・またもや,ホイッと渡して終わりです。


まあ好きに弾いてくれという感じなのでしょう。



LG-2を何本か弾いてみます。


エピフォンのビンテージにも興味がありましたので,弾いてみました。


ここまで来たら,買えなくてもすごいものを弾いてみたいではないですか。 いよいよすごいのを弾いてみます。



ギブソン L-1 1932 です。金額的には6000ドルクラスだと消費税が8.25%で,1ドル115~120円くらいで,日本までのシッピング(送料)が3万~4万くらいでしょう。

トータル80万くらいになるでしょうか。



このL-1のフィンガーボードがエレベーテッドになっているのが見えますか。 トップとぴったりくっついていないのです。


まるでアーチトップギターのような構造です。 これならトップにゆるいアーチがあっても問題ありません。



レイズドフィンガーボードやエレベーテッドフィンガーボードというのでしょうか。 この構造はいいように思います。

トップの角度が弦と平行にならないというのがまたいいのかもしれません。


実は以前から少し思っていたことですが…。

ギターの弦をストロークすると弦は横振動しますよね。 それでいて,トップ板を上下振動させて音にしようというのがギターですよね。


ここに既に無理があるというか,構造的にロスが多いような気もしますよね。


だから,トップと弦の配置は完全な平行じゃない方がいいのではないかとも思えるのですね。

この個体はトップの艶がありますが,それでもオリジナルフィニッシュで,塗り直しはないということでした。



音は素晴らしいです。お勧めできます。 でもエレベーテッドのネックジョイントの30年代ギブソンフラットトップは製造本数も少ないそうなので,めったに出会えないと思います。


店員も「ビューリホーサウンド」を連発していましたが,私もそう思いました。


店員さんに,「対面で聞いてみたいので,何か弾いてもらえますか」というと,ブルージーな曲を弾いてくれました。

彼のタッチは非常に繊細で,まるでわたなべゆうのようなサラサラ系の演奏なのです。 アメリカンがすべてパワフルでバシバシ弾くわけではないんですね。


アメリカンはみな大味。これも一つの偏見でしょうね。

(* ̄m ̄) ププッ



ここで日本から持って行った滑らないピックを出します。 堅さもウルテム系のもので,爪のような感触で弾けるものです。

白人のロン毛の彼に試してもらいます。

「オー,イッツ,クー(COOL)」


寒いわけではありません。一昔前の NICE に近い使い方だと思います。 「かっこいい!」 とか 「最高!」 という時に良く言いますよね。


「イッツ プレゼント フォーユウ」(それあげますよ)

「オー,リィリー」(ええっ本当かい)


ここから流れが変わってくるわけです。

彼はおもむろに鍵を取り出して,ガラスケースの高級ギターを持って来てくれるのです。


やはり,楽器店には何かスモールプレゼントを持って行きましょう。

O(≧∇≦)O イエイ!!


それで,ここからかなり高級路線に突入です。



1969年以前のマーチンの28クラスはハカランダです。


日本ではハカランダとよく言われますが,USでは,ブラジリアンと言っていました。 ハカランダと学術名で言ってありがたがるのは少し日本人のハカランダ信仰が関係しているかもしれませんね。



ブラジリアンの1957年 D-28です。 お値段は・・・。


何と200万を超えるではありませんか。


(; ̄Д ̄)なんじゃと?


ビンテージマーチンはすでに日本の方が安いというのは本当ですね。 ビンテージのブラジリアンマーチンがあるならしばらく売らずに持っておくのもいいかもしれませんね。

もっと上がる可能性もありますね。




音はブラジリアンらしい音です。 でも,昔弾いた1947年のD-28のインパクトが大きすぎて,50年代のD-28では驚かないのでした。




次に店員のジェイソンが持って来てくれたのは,非常に古いギターです。 何と,105年前のマーチンです。

マーチン特集に出てきそうなギターです。


小さいけど非常にバランスよく鳴ります。 高音のきれいさは素晴らしいですね。


(ノ°ο°)ノ  オオオオ


お値段は300万クラスなんですね。



このギターで,スカボロフェアーのソロギターを弾いていたら,近くにいたお客さんが気持ちよさそうに歌いだしてしまいました。 こちらもやめられなくなり,2番の最後までしっかり弾いてしまいました。



人種も,国境も,世代もギターは簡単に超えるのでした。


これは素晴らしい体験ですね。

(*ToT)人(T-T*)  おおっ友よ




いよいよ,さらにさらにすごいのが来ますよ。


ジェイソンはこの店で最も古いというのを持って来てくれたのです。

なんと,1840年代です。


彼はリンカーン大統領の時代だと言いました。 あとから調べたら,ちょっとずれているかもしれませんが,だいたいその辺です。



しかーし,バンジョーペグでチューニングが合いません。

o(ToT)o ダー


一生懸命してくれていましたが,1音下げにしてもらいました。 気になるお値段です。

何と400万オーバーです。


全米でも2本か3本くらいでしょうということでした。


博物館級のマーチンですね。




バンジョーペグでチューニングが合いにくいんですね。



では,弦を良ーく見てください。

このギターはガットギターです。


マーチン最大の発明といわれる,エックスブレイシングは1850年ごろのものと言われていますので,これはその前のクラシックギターをマーチンが作っていたころのものです。

本当に限られた一部のお金持ちのためのギターだったと思われます。


時間をかけて合わせてくれました。



いよいよ試奏してみます。



♪ ポロローン


♪~( ̄ε ̄;)


これは,もはや音の良しあしを云々するギターではないように思います。

このギターはまさに歴史だと思います。 マーチンギターがアメリカの音楽史に与えた影響を考えさせますね。



このような伝統の上に今のマーチンギターがあるんですね。 老舗の伝統を覗いて見た気がしました。

バックのセンターストリップのモザイクの細かさは驚きます。


これが当時のドイツの家具職人の技術なのでしょうね。


アメリカンな感覚ではこの精巧な技は生まれてこないように思いますが,そういう異文化を寛容に受けいれていくのがまたアメリカなのかもしれませんね。



サイドの中央にも同じようにモザイクが入っています。 すごいです。


バックの周りもです。




クラシックのようにスロテッドではなく,ソリッドのヘッドです。


ネックの木材は木を合わせていますね。



ブリッジはすべて象牙です。


サンドホール回りとボディ外周のパフリングは非常にきれいに宝石のように光を放ちますね。


こういうギターが既に160年前からあったというのですから驚きですね。



弦はガットですが,クラシックギターとはすでに違う種類のギターのように思えます。


スペシャルなギターをたくさん弾かせてくれたジェイソンです。



最初はただギターを渡してくれるだけでしたが,ギターの話をいろいろしているうちに非常に親しくなれました。


ギブソンのビンテージを持っているとか,日本のビンテージの方が値段が高いとか,押尾コータローを知っているかとか,いろんなオタク談義をいたしました。



やはり,音楽に国境はないですね。



オタクはオタク同士すぐに分かり合えるのでした。


これもいい経験でした。


クールなギタープレイを聞かせてくれた,プードルの耳を思わせる髪型の ジェイソン ( v^-゚)Thanks♪






ここではピックアップなども一通りテストできるのがすごいですね。

フィッシュマンのオーラのボディタイプ別のシュミレーターです。



ドレッドやOMやクラシックなどのボディサイズを再現するのです。


いじってみると,ドレッドの音はかなり使える感じの音と思いました。


OMギターの音はどんなにいじってもシュミレーションしきれないと思いました。 それくらい絶妙な音ですね。あの高音はレコーディングに最適な音だと思います。


ピックアップは箱が厚めの方がいい音が作れますね。



ドレッドのオーラならいいかもしれません。 でも,それほど安いわけではありません。


本物のピックアップサウンドではないんですが,ピエゾをそのまま使うよりは,これをつなぐのはいいと思います。

ギターはギルドの新しいものでテストしてみました。


ギルドは70年代のビンテージものがいいですね。 安くてもあの音を新しいギターで超えるのは大変ですね。


70年代なら20万円台で買えるビンテージです。音色が好みならビンテージギルドもいいですよね。

貴重な経験で満足した私です。

移動の車の中からですが,オーブンカフェのような感じで,軽く演奏がされています。 演奏する側もセッションを楽しでいるような感じがいいですね。



ギターという趣味によっていろんな人と人の出会いがあってこれもまた面白いですね。



国境も人種の壁も越えられるギター音楽をあなたも楽しんでいるのであれば,ぜひ,海外の楽器店をいつか訪問してみましょう。

( ̄Λ ̄)ゞ んむっ




でも,私がUSから買ってきたギターはいったい何でしょうか。


( ̄ー ̄)ふっ つづく。




引っ張りすぎ。




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