お宅的ギター選びの提案です。 やはりギターは3本必要だと思います。 その3本とはこの種類です。
初心者のギター選びは簡単ですね。
比較するものがありませんので,欲しいものを買えばいいだけです。
ププッ ( ̄m ̄*)
でも,ある程度の期間ギターを弾いていきますと,こういう曲も弾きたいあれもこれも・・・というのが出てきます。
例えば・・・
当方,男性ボーカルで弾き語りもして,ソロギターでバラードっぽいのも弾いて,最近は押尾奏法にも手を出していて叩いたりしてますし,時々デパペペみたいにデュオを組んだりしてライブもしますが,普段は生音なので,生音重視のギターを欲しいと思っていますが,それにはどれが新岡先生のお勧めですか?
( ̄□ ̄;)アーウー
これは難しいですね。
ここまでオールマイティーなギターがあるのでしょうか。
一応メーカーやショップがバーサイタル「万能」という言葉で紹介するモデルもありますが,これも正直微妙です。
車で例えればわかりやすいのですが,峠を攻めてスポーツタイプの走行もするし,街乗りで荷物が運べて,人数が乗れて,車高が高くて中が広いファミリーカーで,燃費が良くて,パワーがあって・・・
という話に近いものがありますよね。
正直言うと,どっちかに寄っている方が長く使えます。何か一芸に秀でている感じの,個性がはっきりしている方が長く付き合えるというものでしょう。
スポーツカーなら人数は乗れなくて燃費が悪くてもそれが欲しいならそれがいいんですね。
ファミリーカーなら走りが鈍くても人数乗れて,荷物がつめたら足回りがやわくても文句を言うものではありませんよね。
ギターも同じですね。それぞれのモデルで個性があります。
もちろん材質の差もありますが,ボディサイズから来る音質差も見逃せません。
それで,ギターの選び方で私がお勧めするオタク的な提案があります。
「ギターは3本欲しい」ということです。
その3本とは,OM,ドレッド,セミジャンボ(or ジャンボ)です。
トップの面積が違うのは当然ですね。
ボディの箱の厚みを見てみましょう。
一般的にOMは90~95ミリから105~110ミリでしょうか。
ドレッドは105ミリから120ミリはあると思います。
SJはその中間的で95~100から110~115くらいでしょうか。
このテイラーはドレッドの容積にかなり近いものがあると思いますが,ウエストの絞りがあるので,抱えやすく感じです。
(」゜ロ゜)」 ナント!!
やはりこれらの音には違いがあります。
それぞれが何に向いているのか少し検証してみましょう。
まずはOMとドレッドのギターを用意しましょう。
男性ボーカルでストロークしながら何か歌ってみましょう。
福山の「友よ」なんかいいですね。
コードは1,2弦の3Fを押さえ続けてペダルノートにして弾く感じで,C→G→D→Em です。16ビートで・・・。
C G
♪ じゃーかーかーじゃーかじゃんじゃんじゃか
D Em
♪ じゃーかーかーじゃーかじゃんじゃんじゃか
♪ いくつものー・・・
聞くポイントは歌が良く聞こえるかどうかです。
同じことをドレッドでもしてみましょう。
すると・・・。
ワオ w(°o°;)w
違いますね。明らかに。
ドレッドで歌った方がいい感じです。
よく聞くとギターの周波数が違う感じがします。
OMは歌と同じような音域にギターの音色が来てしまうために,歌が聞き取りにくくなります。歌にギターが寄り添うというよりも歌とギターが同じくらい主張して来る感じがします。
ドレッドはどうでしょうか。
音の周波数がOMよりも低いところにきている感じです。
ギターの音色が全体に低い周波数で鳴っていますね。
ちょうど男性のボーカルよりも低い周波数にギターが来るので,歌がはっきりと聞こえます。
さらに,歌とギターで音楽としての全体の周波数は広がっているので,音楽としてよく聞こえます。
男性ならOMの弾き語りよりもドレッドなどの箱の大きなギターの弾き語りの方がもっとマッチするということですね。
場合によっては,「本当に同じ弾き方ですか」といわれるくらい違いがあるときもあります。
ブルース風のハーフミュートのバッキングなどはまた違うかもしれませんが,ストロークで試してみると明らかに違いがありますよ。
(≧∇≦)b なるほどっ!
今度はドレッドでリードのフレーズを弾いてみましょう。
マイナーのペンタトニックでも何でもいいですよ。
何かリードを弾いてみましょう。
デパペペのようにドレッドでリードを弾いた場合と,今度はOMでも同じようにしてみましょう。
カントリーワイドのリードなんかいいですね。
♪ ターラタラッター・・・・
どっちがメロディーがはっきりしますか。
ビブラートがきれいに聞こえるのはどちらでしょうか。
そうです。圧倒的にOMがリード向きですね。
弦鳴り感が強くて,レスポンスのいいエレキのように自分が弾いた音がそのまま返ってくる感じがあります。
ビブラートもゆすった分がそのまま音になります。
が,ドレッドではどうでしょうか。
ドレッドは箱に厚みがあります。OMよりも1.5センチ厚い場合があります。
この箱鳴り感が音色を太くする反面,このすばやいレスポンスを失わせます。
クラプトンがこのOMサイズのギターをこよなく愛する理由がわかるというものですね。
デュオをしてみましょう。
ドレッドでリードを弾いて,伴奏をOMでしてみましょう。
♪ ジャンジャカジャンジャカ ♪ タラッターターターラタッター
( ̄~ ̄;)ウーン・・・いまいちですね。
反対にしてみましょう。
OMでリードを弾いて,ドレッドで伴奏します。
♪ ジャンジャカジャンジャカ ♪ タラッターターターラタッター
ホエッ?(・◇・;;)
同じ演奏なのにかなり違います!
こっちの方がメロディーがはっきりして,伴奏には低音が効いていてバランスがいいですね。
d(>_< )GOOD!ベリーね!
OMは男性ボーカルに近いところに周波数が来ますので,リードを弾くと歌っているかのようにバランスがいいですね。
確かにボディサイズから来る向き不向きは存在する感じがしますね。
では,ジャンボやセミジャンボはどうでしょうか。
このセミジャンボというのが近年脚光を浴びていますね。
フィンガーピッキングのソロには最適ではないかと言われているわけです。
私もフォルヒのGボディを弾くと確かにそう感じるところがあります。
セミジャンボはOMに近い高音が出るんです。それに加えて,低音はドレッドまでは行きませんが,逆にしまりが適度にあって鳴り過ぎずOMでは表現できなかった箱鳴りの迫力が出せます。
この低音の箱鳴りの差はピックアップを通してもいくらか出てきます。
同じ曲をOMとセミジャンボで弾き比べてみましょう。
「さくら」のソロなどのバラードはどうでしょうか。
♪ タン ターララーー
OMの高音は確かにきれいです。
この音はバラードには最適な感じがします。
でも,低音の厚みがあるというのは表現的には深い感じもします。
バラードよりも少しリズムが入った感じのアップテンポな曲ならどうでしょうか。
シャドウィキーとか
♪ タララーターラー
やはり,低音がある方が表現的にかっこいいですね。
迫力が違いますね。
トミー風のギャロッピングスタイルはどうでしょうか。
右手の空手チョップの辺りでサドル触って,4,5,6弦をハーフミュートしています。
リズムがはっきり打ち出されて,上のメロディーがより引き立ちます。
こういう弾き方だと低音が最初からダンプしていますので,あまり量的な違いが大きくありません。
それならメロディーがはっきりしているOMの方が,さらに合っているような気がします。
同じソロギターと言ってもその演奏スタイルで違いますので,一概にSJ(セミジャンボ,もしくはスモールジャンボ)がソロギター向きとひとくくりにできないところですね。
(≧∇≦)b なるほどっ!
このSJやJ(ジャンボボディ,フォルヒで言うところのSモデル)でストロークするとどうでしょうか。
これがいけるんです。
私の感想ではジャンボはドレッドよりもいいんです。
(」゜ロ゜)」 ナント!!
フォルヒのSなどの低い周波数に来るギターは表現の幅が広がります。
小さいギターでは絶対に出せない迫力があります。
男性のボーカルと合わせると,低音の低いところから高音のピシっという音まで再現できて,レンジの広さはピアノ伴奏を超えるのではと思うことがあります。
SJではここまで行きません。ストロークではドレッド風の迫力はありますが,ジャンボほどの迫力は出ませんね。
でも,SJのストロークの音も私はいいと思います。
まさに,フィンガーからストロークまでバーサイタルなギターですね。
ということは,それぞれの専用ギターがあれば要らないのではと言われてしまったりするかも・・・。
押尾的な叩き系の奏法を使うとどうでしょうか。
やはり,ドレッドかジャンボの箱鳴り感はいいですね。
特にドレッドの低すぎず,高すぎないドンッという叩き心地はこれまた独自のものですね。
そういう曲が弾きたいというのであれば,ドレッドを選ぶのは間違いないでしょう。
歌の伴奏ももちろんOKですし。
このように箱によってギターの音色は違います。
ボディサイズはどれを買うかと言うことになってきますが,ギターオタクならいつかはこれらの型違いの3本をどうしても欲しくなります。
3本違うボディのギターを揃えておく方が,同じ型のギターを何本も持っているよりもずっとギターについて理解が深まるような気がしますよ。
というわけで,結論は3本必要ということです。
それで,あとはどれから順に買っていくかという話ですね。
これに素材の違いがかかわってきて,さらにピックアップを前提にするのか生音優先なのかでも違いますし,その人の演奏レベルと予算がかかってきますので,ギター選びは難しかったりしますね。
ププッ ( ̄m ̄*)
相談希望の場合は,1ギター暦 2音楽の背景や所有ギター 3やりたい音楽 4生音優先かピックアップも使用か 5予算などが明記されれば回答も可能でしょうね。
ラジャ!(@^▽^@)ゞ
2008/5/8 追記
キャリアのある読者の方はご存じだと思いますが,SJというサイズは微妙です。
セミジャンボとグランドオーディトリアムを分ける考え方が一般的です。
本来OMボディを少し厚みを出して,少しお尻を大きくしたのがグランドオーディトリアム(GA)です。
それに対して,ギブソンのSJ-200(スーパージャンボ)などを少し小さくしたのがセミジャンボになると思います。
OMを大きくしたものと,ジャンボを小さくしたものはサイズ的には少し違います。
ふつうはセミジャンボの方がGAより大きいと思います。
例えば,モーリスのSシリーズやラリヴィーのC,テイラーの14シリーズなどは本来はグランドオーディトリアムに位置すると思います。
モーリスにはセミジャンボ仕様がSシリーズの中にあり,通常のSシリーズよりも大きいので,わかりやすいですよ。
でも,ドレッドとOMという分け方でいえば,このページではその中間のボディでセミジャンボと表現しています。
初心者的にはそのくらいの分け方でいいと思いますが,より正確にはグランドオーディトリアムもありますし,OMとOOOもサイズは同じですが,鳴り方は違います。
さらに,OMでもボディが深胴になっているものもあります。
さらに,OO(ダブルオー)もO(シングルオー)も本来は違うギターですし,パーラーギターもあります。
さらに,12Fジョイントモデルがあります。それのカッタウェイまであります。
ドレッドでもウエストを絞っているモデファイド-Dというものもあります。
さらに,スクエアショルダーとラウンドショルダーも存在します。
このように詳細に分けだすときりがありません。
それで,ある程度サイズの概念を最初に持つにはこの3つくらいの分類でいいと思います。
マルチなのはGAだと思いますが,中途半端と言われればそれもそうです。
でも使いやすいですね。
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