アディロンダックスプルーストップとハカランダサイドバックのドレッドです。 ボジョアD-150Cです。現代の手法でビンテージの音を出すボジョアギターのサウンドです。
やはりギターの音は素材が決めると思いますが,昔のMartinはどんな素材を使っていたのでしょうか。
戦前のプリウォーと呼ばれるD-28などはアディロンダックスプルースがトップで,サイドバックは当然のようにハカランダでした。
D-28は1946年からシトカ・スプルースに変わったと記録にあります。
北米のアディロンダック山脈で取れるレッド・スプルースはアディロンダックスプルースと呼ばれています。特徴としては非常に硬い種類のスプルース(松)と言われています。検索すれば沢山情報は出てきますよ。
このアディロンとハカランダの組み合わせが,近年値段を抜きにしてすごいと思ったギター,MartinD-28GEの組み合わせでもありました。
しかし,MartinのGEも本物のMartinのビンテージもすばらしいのですが,少し欠点とまではいきませんが,こうなったらいいのにという部分があります。
それはまず,ネックです。マーチンのGEは少し太いんですね。
あの厚みがあの音を出していると言われれば仕方ありませんが,弾き心地は私の手のには少し大きいんです。
ビンテージものはロッド調整などもちろんできません。
D-28がアジャスタブル・ロッドになるのは1985年です。
日本では,湿度変化が季節ごとにあります。完全な空調を実現している所にいつも置いておける人は多くないでしょうね。
そんな環境で,ロッド調整が出来ないのはなんとも大変な面があります。
昔々車の免許取立ての頃に私は,ビンテージ一歩手前の当時で17年前の車に乗っていました。ホンダのZそして,水冷のホンダライフにも乗っていました。
最近もこの名前の車はありますが,私が乗っていたのは360CCのリヤゲートが水中眼鏡のような感じゼットですよ。
これを自分のメインカーにしていたのですが,ある朝エンジンがかからないとか,修理工場でも原因が分からない故障があるとかそんな事が時々あります。逆に「今日は普通に走れて調子がいいな」という感じです。
これではメインカーには出来ないと思って乗り換えたのですが,ビンテージギターもこれと似た部分が多少あって,メインというよりは,他にも道具として使えるギターがあり,生音を楽しむためのギターとして所有しておいて,あまり無理をかけないというのがいいんじゃないかなと思うのです。
そうなると,当時の材質を現在の技術で再現するギターもいいのではないでしょうか。もちろんマーチンのGEシリーズもそのコンセプトですよね。
現在の技術を用いた,アディロンとハカランダのギター。
ボジョアのD150C(カスタム)です。
まずはデザインがキレイです。
細いアバロンのワンリングが上品です。
一般にアディロンダックのトップは少しチーズ色というか赤みがかって,クリーム色っぽい感じです。
一般的にアディロンの木目は少し広くて驚くということを言う人もいます。でも,このギターのトップは目が詰まっている感じです。 (普通のスプルースは目が狭い方が詰まっていて良いと言う人もいます。)
ヘッドのつき板もハカランダです。
ペグはD-45などにも採用されているウェイバリーのゴールドです。かなり,精度は良いと思います。 ウェイバリーの安いタイプよりはゴトーが上だと思いましたが,これはかなり安定していて良いと思います。
この木目は確かにハカランダですね。
コンコンと叩くとちょっと金属質な硬質な感じの響きがあります。
ネックも非常に安定してしていいものが使われている感じです。
テンションがやや高めになるようにヘッドの角度もついています。
では,肝心の音はいかがでしょうか。
♪ ジャラーン ジャキーン!
「(≧ロ≦) アイヤー
これがギターですね。音がすごいです。
レンジは広く,深く,トップ全体が鳴っています。
右手でジャラーンと弾いた後,右手をトップに重ならないように後ろに回してみるとなんと音が変わるのがわかるのです。
聴衆側にいる人は全員分かるほどです。
つまり,サウンドホールから音が出ているだけではなくて,確実にトップ全体が鳴っているのです。
ここまで来ると,ギターの角にひじ置きを貼り付けてトップの鳴りを妨げないようにする人の気持ちが分かりますね。
これがアディロントップの実力か?
弦高も調整してありますので,6弦12フレットで2.5ミリ,1弦が1.8ミリくらいです。とても弾きやすいです。
ややテンション高めのギターはこのくらいまで弦高を下げても十分に鳴りがあります。
ローテンションタイプのギターだとこの数字以下にすると鳴りがかなり下がってしまうことがあります。
そのギターのテンションによっていい音と思える限界があるので,一概にこの数字とは言えませんからね。
このギターだと何を弾いても気持ちがいいです。
ネックも44ミリですが,薄いので全く問題ありません。
私にはマーチンのGEのネックよりもずっと薄くて弾きやすいのです。
そして,何よりも音色です。
Martinにあるような低音寄りのサウンドではなく,バランスがとれた音で,しっかりと高音も出ます。
ソロギターを弾いてもメロディーが埋もれることはありません。
私はちょっとだけいじって,サドルを象牙にして,ピンは最初エボニーがついてきましたが,タスクに変えました。
そして,ナットは弦高を下げて溝に弦が埋まった分がありますので,当然削り込んで巻線が露出するところまで削っています。
弦はこの手のギターにはダダリオのEJ16がやはり合います。
弦はギターによって使い分けますが,高級ギターにはEJ16がいいバランスで鳴る事が多いと思いますよ。
ワンセットはいつも持って置きたいですね。
この調整で音のレンジは広がりました。
何をどういじっても音になって現われているというすごいギターです。
でも,テンションはフォルヒなどよりもはっきりと強めにあります。弦高が同じであれば,確実にこちらがテンション感があります。弾きこなすには中級クラスの腕が必要かもしれませんね。
2本目のギター選びにはオススメしませんが,5,6本目の人にはオススメできます。
絶対的な音はマーチンのビンテージが良いと思いますが,ギターを選ぶ基準は音だけはないと思います。
音は重要ですが,弾きやすさ,デザイン,価格これらも大切ですね。
ボジョアはボルトジョイントのネックなので,万が一トップが大きく膨らんでもリペアが大掛かりにならないようになっています。
まさに現在の技術でビンテージの音を出すという感じでしょうか。
ハイエンド・ユーザーに言わせるとボジョアの唯一の欠点は塗装だといいます。確かにラッカーではなく,ポリウレタン塗装です。
ビンテージギターのように年数が経つとラッカーの方が音質が良いといわれます。ラッカー塗装は数十年で音の差にはっきり出るといいます。
しかーし!
v(ー_ー)チッチッチッ
ラリビーがポリウレタンを採用するように,カナダとか気温が摂氏マイナスになるような寒い地域ではラッカーはひび割れやすくなり使えなくなります。
ウェザーチェックと言ってひび割れもビンテージの貫禄というかもしれませんが,東北に住んでいますと冬は寒いので,ポリを薄く使っていつまでもきれいな塗装のギターもいいのではないかと思ってしまいます。おそらく北海道の人も同じことだと思います。
70年代のギターはポリウレタンが厚めに塗ってあったりして,サイドバック合板の場合は内部の接着剤などと反応して白濁する場合もあるかもしれませんが,単板ならその心配はかなり低いと思います。(単板でも塗装技術によっては白濁が出ることもありますよね。)
なんにせよ,ここまでの音が出ていれば,だれが聞いてもいい音と言うでしょうね。
コリングスやD-45V,グレーベン他沢山のギターを所有するコレクター的な生徒さんにこれを聞かせたところ,「この音は,コリングスのハカランダを超えているかも!私もこれが欲しいです。」と驚いてくださいました。
O(≧∇≦)O イエイ!!
この音を聞くと,自分のためにギターを弾く時はこのギターにしようと思います。ギターを弾くのが本当に楽しくなりますね。
アディロンとハカランダはすでにどちらも稀少材です。
弾き続けていつしか音がよくなって,さらに値上がりしていくと,うれしかったりします。
(⌒Θ⌒)ぷぷぷっ♪
追伸:素人代表の耳を持つうちの奥様にこれとフォルヒを聞かせるとその違いがあまりよく分からないといいます。
(ノ_<。)うっうっうっ
おそらく何度か比較すればわかるのでしょうけど。
もしかして,一般の聴衆相手にギターを弾くことを考えれば,フォルヒのシダーローズで十分なのかもしれません。それ以上の違いはまさにギターお宅の世界かもしれませんね。
でも,私の耳には違いがあります。
これとフォルヒのG23CRを比較してみるとどうなるか。
( ̄~ ̄;)ウーン・・・
味の薄いあっさり系秋田十文字ラーメンと,濃い味のくっきり系の渋谷109の地下にある「げんこつや」の「豪快しおラーメン」みたいな感じでしょうか。どっちもおいしいですが,濃さが違いますね。
それ位違います。
でも,弾きやすさとかテンションの軽さはこれまた魅力です。
フォルヒは演奏用。ハカランダは生音用。
この2本立てはどうでしょうか。
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