ついに行って来ました。 新しくなったアコギ基地です。 扉を開くとそこに広がる世界は・・・。 お宅ごころをただただくすぐるのでした。
あの在庫700本と言われるアコギ基地がお店を移動してとにかくすごいらしいというので新年早々におじゃましてみました。
アコギショップつまり,楽器店ではなくアコギのみを扱っているマニアックなショップが世の中にはあります。
アコギは基本的に買ったら終わりの商品ではないので,そのお店と長く付き合えるかがポイントですね。
そうなるとオーナーの人柄とか,ポリシーまでが重要ですが,その中でもアコギ基地は私にとっても非常に刺激的で,いろんなことを教えてくれます。
まずは,新しくなったアコギ基地を探す所から始まります。
HPには栃木県の氏家駅前で交番の向かいで花屋の隣とあります。
でも,見つかりません!
どこなんでしょう。おっと,オーナーの車発見!きっとこの先でしょうね。ありました。確かに蔵です。看板は小さめですね。
この看板をくぐるとなんと驚くべき世界が広がっているのです。
\(◎∠◎)/オウ~ビックリデース
二階建てくらいの高さの長方形の蔵の中に縦に6台のギターが一回りあります。
床にもハードケースに入ってギターギターです。
ここだけで400本あるというのです。
ヽ(・_・;)ノ ドッヒャー
何から弾いたら良いのでしょうか。
これだけあると全くわからなくなります。 手始めにソファーの隣にあったギターから手を付けてみましょう。
ヤマハのハカランダの最上級のモデルです。
確かに弾き語り系の最高の音がしますね。超贅沢な気分がします。
ここでは何かテーマを決めてこないとただ時間が過ぎてしまいますので,今日はMartinD28を年代ごとに弾いてみるとどう感じるかをやってみました。
まずはD28 1948です。
当然ハカランダサイドバックです。
こういうギターの場合は正統派のスタンダードチューニングのカントリー系で行きましょう。
トミーのカントリーワイドです。
♪ジャジャーン
(ノ°ο°)ノ オオオオ
これはすばらしいです。
ギターは開放弦をただ鳴らしてどんな音がするかではなく,当然ながら1曲を弾いてどんな音楽を奏でられるか,どういう演奏になるかそこが大切だと思います。
ナニブン古い楽器ですから,もっと調整したい所もありますが,基本的に出てくる音がギターです。
ギターとはこうあるべきという音がします。
ビンテージマーチンには確かに他にはない,サムシングがあります。
ちなみに昔アコギ基地で弾かせてもらったプレイヤーズコンディションの1946年のD28はもっとすごい音だった記憶があります。
今度は68年のD28です。
D28のガイドなどにあるように,1969年にはハカランダからローズに替わります。69年は混在しているんでしょうね。
低音から高音まですばらしいです。
ブラジルの森林伐採に拍車をかけるほどの魅力がハカランダにあるのは否定できませんね。
音的にはこちらの方が48年よりももっと輪郭がハッキリしており最初は良いような気がするのですが,やはり,1曲として演奏を聞いてみると48年ものに勝てないのです。
この辺が興味深いというかアコギのおもしろいところですね。
そして,新品のD28です。
♪じゃらーん
( ̄~ ̄;)ウーン・・・
新しい音がします。
高音がよく出ますね。
マーチンの音の傾向も時代とともに変化していると言われていますが,高音の切れ味は増している気がします。
良い音ですが,普通のギターの音がします。
1948のD28で感じられたサムシングがありません。
おそらく60年弾けばまた違う結論があると思いますが,ビンテージのおもしろさは否定できないモノがありますね。
アコギ基地のオーナーは仕入れの際にそこにあるD28を全部鳴らして最も鳴りの良いものだけを入れるといいます。
普通は黒澤とかキョーリツから送ってもらって店頭に並びますので,地方のお店では個体を選べ無いのが現実ですよね。
そう考えるとオーナーが自ら選び抜いたものを並べているお店から買うことは意味がありますね。
ワインや日本酒の世界ではソムリエがいて,その人の好みでいろんな味を紹介してくれるのですが,アコギ基地のオーナーはまさにそのような,アコギソムリエと言っても過言ではありません。
これを弾いてみてくださいと出してくれますが,なんとも好みの傾向を知っている上で来るので,おもしろいのです。
マーチン以外も次々と弾いてみましょう。
ジェイムズ・グッダールです。
以前にオーナーから教えてもらったとおり,私の好みも次々と変化して,最近はローズよりもマホガニーとかメイプルに移行しつつあります。
特にライブの場合はアコギの低音の箱鳴りもすでにピックアップで作り出されますので,ピックアップでラインアウトした時に良い音が出せるのは何か?
と考えると,メイプルは捨てがたい魅力があります。
パンチの効いたスピード感のあるサウンドが得られます。
後は生音が全体に硬くなりすぎないかどうかだけ注目して,硬く鳴りすぎてないメイプルは魅力がありますね。
Gibsonの古いものも試奏させてもらいました。
一緒に行ったジャズベーシストのSさんですが,ギターもブルージーで上手です。
客観的に音を聞くのもギター選びのポイントなので,一人で行くとわからないときもありますよね。
各方面で評価の高いダナ・ボジョアです。
ボルトジョイントですが,その組み方はいろいろで,本体とネックをボルトで直結するメーカーもありますが,ボジョアは本体とネックは木で組まれていて箱の内部から指板方向へ接着剤なしのボルトジョイントになっています。
すごいというよりも隙がないというか,改善点が見つかりにくいバランスの取れたギターでした。
この手の指板だとカポつけてハイフレットを弾く時に自分が今どこにいるのかわからなくなるのだけが困りました。
ボジョアは丁寧なつくりのギターでした。
今回最も刺激的だったのは,メリルギターです。 押尾コータローも1本持っているようです。
以前に雑誌で,コリングスユーザーが持ち替えているのがメリルだとありました。
1930年代のマーチンサウンドを新品で出すというのです。
まさにマーチンのGE(ゴールデン・エラ)のようですね。
サイドバックはマホガニーですが,音のバランスが極めて良いんです。
演奏そのもの,音楽そのものに入れます。
これがギターだと思える完成度を感じます。
しかし,値段がまたすごいんです。
マホガニーのギターですが,定価は70万です。
新品同様の中古で40万くらいでしょうか。
でも,何の要素がこの音色を作るのでしょうか。
ギターを組み上げる技術があるレベルに達すれば,後は材料の違いが大きいような気がします。
このトップはアディロンダックスプルースです。
オーナーによりますと,アディロンダックスプルースを使うと音量が確実に上がるということです。
北米のアディロンダック山脈にしかないスプルースで固い材質と言われています。
そういえば,昨年最も感動したギターのひとつはマーチンのD28GEでした。
あれはアディロンダックにハカランダの組み合わせで稀少材の組み合わせだから今後は値上がりするのでしょうか。
やはり,昔のマーチンがそうだったように,アディロンダックスプルースの良い材というのはキーワードのひとつかもしれません。
(あるビルダーはアディロンは材が少なく選べないので,豊富なスプルースから最高のものを選んだ方が良い場合もあるといいます。でも,アディロンで選ばれたモノがあればもっと良いということでしょうかね。)
話を戻しましょう。
最後にはデュアルNAを聞いていただき,オーナーからも大変高い評価を頂きました。
ブンブン ヾヾ(^-^) ありがとがとぉ♪
プロのアコギショップの方からも認められるピックアップデュアルNAなのでした。(宣伝入ってますね。)
まさにアコギソムリエのいるショップ。
アコギ基地はどんなギターでもあります。
昔弾いてみたかったあのギターもたぶんあると思います。
アコギ基地もそのうちにアコギマガジンに載るようです。
ぜひ,皆さんも宇都宮を通過する際は思い出しましょう。
この蔵の中は本当にアコギ基地でした。
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