日本のアコースティックギターソロの夜明けはこれだと思います。
ギター教室をしていますので,生徒も弾けるようになるとソロギターに挑戦したくなるものです。いいことです。
O(≧∇≦)O イエイ!!
どの曲からはじめたらいいでしょうか。
私は迷わず勧める曲があります。その人がスリーフィンガーという弾き方を理解しているならぜひともこの曲から挑戦するのが良いと思います。
中川イサト OPUS1310 (オーパス) です。
小松原俊をはじめこの曲に影響を受けたギタリストは数知れません。
イサトさん自身は「昔はコードをいじって曲を作ったりしてた・・・」と少し否定的に書いていた事がありましたが,コードをいじっただけでここまで見事に1曲できれば才能ですね。
オーパスとはクラッシックなどで作品番号のことをいいます。Op何番とよく略されます。イサトさんに1310曲もあるわけではなく イ・サ・ト のしゃれですよね。
この曲の良さはEmであることです。
日本人はなんと言っても暗い曲調が好きなんだと思います。
そして,イサトさんと手の大きさを私も比べさせてもらった事がありますが,私と変わらず指がそんなに長くないのです。
それで,コードチェンジでよく開放弦の音を入れて音的には途切れないのに,弾くのは楽という曲が多くあります。オーパスもそうなっています。
聞いていると非常に難しく,カッコよく聞こえるのに弾いてみると,えーっこんなに簡単でいいのと思ってしまいます。
非常にお得な曲であります。
シャッフルの跳ねるリズムも覚えられます。
いろんな難しい曲に挑戦するよりもこの曲を本当に完全コピーしてみてはどうでしょうか。楽譜には出てこない,何かが演奏にはあります。それを発見できるまで弾いてみたらきっと自分の演奏レベルそのモノがアップすると思いますよ。
この楽譜の中にオリジナルのOPUS1310があります。他には「六番町ラグ」もこの楽譜にあります。アルバム1310をほぼそのまま収録した感じです。
音源はこのCDです。タイトルも1310です。70年代の日本のアコースティックギターソロとしては名盤だと思います。イサトさん自身がよく振り返る,いわばターニングポイントとなった「きつねの嫁入り」も収録されています。安いから買ってしまおう。
ギタリストは以前に作った曲をもう一度何年か後に弾くとどうしても違ったアレンジに仕上げたくなるようです。
イサトさんもよくあることです。ですが,多くの場合は慣れてきて音と音の間にもっといろんな技を入れてしまうのです。ハーモニクスを入れたくなるとか。
これは良し悪しでどっちかというと,間が良かったのに音が入りすぎて悪くなることも結構あります。音が少ない方が説得力がある事が多いと思います。
でも,このOPUS1310が後にベスト版「フットプリンツ」に収録された時は少し違っていて,このアレンジもカッコいいなと思えるのです。これは聞き比べてもいいかと思います。フットプリンツはベスト版として本当にいい曲を集めていますから,これはオススメできます。
これに完全に対応した楽譜集があります。
フットプリンツの曲がオリジナルとは違うよさがあると思える人はぜひともオススメです。これだけでもコストパフォーマンスは高いですよ。
イサトさんの音楽性の幅もそうですが,指の使い方などは本当に基本だと思います。
このOPUS1310はこれからソロギターを目指す人や,ある程度弾ける人にもぜひオススメの一曲です。
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